研究課題
補綴歯科領域の治療予後を左右する重要なリスクファクターである睡眠時ブラキシズムは多因子疾患であり、個々の患者に応じた治療法の確立が求められているが、薬物を用いた治療法は臨床的にいまだ広く一般には用いられていない。研究代表者らが行った先行研究における、α2アドレナリン受容体作動薬であるクロニジンの睡眠時ブラキシズム抑制効果に個人差が認められた結果を踏まえ、本研究では薬剤感受性に関連する遺伝子多型を明らかにすることを目的とし、適切な薬物使用による睡眠時ブラキシズム抑制のオーダーメイド治療の確立と、自律神経系の関与からの発症メカニズムの解明を目指す。平成28年度は、被験者募集と睡眠時ブラキシズムレベルの評価を行った。睡眠時ブラキシズムを認める健康成人を対象とし、過去6カ月以内の睡眠同伴者による歯ぎしり音の指摘と、顕著な咬耗の存在・起床時の咀嚼筋の疲労感の存在・咬筋の顕著な肥大の存在から成る睡眠時ブラキシズム臨床診断基準(ICSD-2, AASM., Dube et al. 2004)を用いて一次スクリーニングを行った。その後、二次スクリーニングとして睡眠中の咀嚼筋筋活動測定を行った。咀嚼筋筋活動測定は、咬筋EMGチャンネルを付加した脳波記録簡易睡眠検査装置Sleep Profilerを用いて行い、睡眠時ブラキシズムレベルの評価(ベースライン測定)を行った。この際、臨床診断基準を満たすが、二次スクリーニングである睡眠中の咀嚼筋筋活動測定で、Lavigneらの診断基準(Lavigne, Rompre and Montplaisir 1996)を満たさない者は除外とした。
3: やや遅れている
被験者の収集および睡眠時ブラキシズムの咀嚼筋筋活動測定に時間がかかっており、若干遅れている。
継続して被験者の収集および睡眠時ブラキシズムの筋活動レベルの測定を行っていく予定である。また、被験者が一定数集まりしだい薬物への反応性を確認の上、遺伝子多型の解析を行っていく予定である。
被験者の収集および睡眠時ブラキシズムの夜間筋活動測定に時間がかかっており、研究経費の節約を考慮して、遺伝子解析は次年度以降にまとめて行うこととしたため、次年度使用額が生じた。
遺伝子解析に関わる試薬および消耗品に使用していく予定である。また、広く一般に成果を公表するために、学会発表も行っていく予定である。
すべて 2016 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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http://meta.lilitory.showa-u.ac.jp/