研究課題/領域番号 |
16K11637
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
川良 美佐雄 日本大学, 松戸歯学部, 特任教授 (20147713)
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研究分担者 |
小見山 道 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (60339223)
飯田 崇 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50453882)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | 高齢者 / リハビリテーション / 口腔機能 / 中枢 |
研究実績の概要 |
本研究では、高齢者における口腔領域の補綴学的リハビリテーションを構築することを目的としてまず、残存歯数、咬合支持域、咬筋の筋容量と脳の容積量、灰白質・白質の密度の相関関係について検討し、口腔機能の低下が中枢へ影響を及ぼす因子の解明を検討することを予定していた。 平成29年度は本研究において脳の形態学的な測定をMRI画像において行うことを予定しており、まず解析を行うにあたり最適な撮像条件の確認を進めた。結果として、本学付属病院において、これまでに撮影されている高齢者のMRI画像を用いることが可能であることを確認した。次にそれらの被験者の残存歯数、咬合支持域の確認を進め、残存歯数または咬合支持域を因子として2群間以上への分類が可能か検討を行った。以上の検討にて本学付属病院において既に撮影されている脳MRI画像を用いて脳の容積量、灰白質・白質の密度に関する解析を行うことが可能であること、残存歯数または咬合支持域を因子として群間への分類が可能であることを確認した。現在、各被験者における脳の容積量、灰白質・白質の密度を解析中である。また、本実験の実験デザインより統計学的な検出力を検討して、今後被験者数の増加が必要であることを確認したので、今後解析対象とする被験者数の増加を解析と並行して進めている。なお、本実験計画は本学倫理委員会にて承認された計画に沿って行われている。 並行して、次に予定しているTMSを用いた運動誘発電位の測定を検討する実験に協力を得られる被験者の募集を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の計画段階においてMRI画像を用いた脳の解剖学的構造に関する検討および経頭蓋磁気刺激法(TMS)を用いた脳の神経活動に関する検討、筋電計を用いた口腔機能に関する検討を行う予定であった。MRIの撮影は現時点において約80名分のデータを収集しているが、高齢者を対象として実験としてTMSを用いた運動誘発電位の測定に協力を得られる被験者の確保が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はこれまでに測定が終了したMRI画像を用いて残存歯数、咬合支持域、咬筋の筋容量等を因子として脳の容積量、灰白質・白質の密度の相関関係について検討を進める予定である。TMSを用いた実験に協力を得られる被験者の確保が困難な場合は筋電計を用いた口腔機能を検討する単独の実験に研究のデザインを変更することを検討している段階である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は並行して2つの実験を進める予定であったが、1つの実験計画において被験者の確保が困難なことにより実験の進行に遅れを生じている。したがって、実験に要する消耗品の購入が必要なかったことが原因となっている。 今年度は遅れを生じている実験の遂行を進めることにより実験の消耗品の購入にて使用を予定している。
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