研究課題/領域番号 |
16K11656
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
安居 孝純 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (80348771)
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研究分担者 |
中川 種昭 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00227745)
森川 暁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00424169)
馬渕 洋 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50424172)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯髄幹細胞 / 顎骨壊死 / フローサイトメトリー |
研究実績の概要 |
歯髄幹細胞(DPSC)に特異的なマーカーであるLNGFR(CD271)およびThy-1(CD90)を用いて、歯髄組織より培養を経ることなく直接的に分離したLNGFR(Low+)/THY-1(High+) DPSCは、高い増殖能および骨形成能を示す。本研究では、この細胞をビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)モデルマウスに移植し、顎骨壊死予防および治療に有効であるか評価を行った。 BRONJモデルマウスの作製は、過去の報告をもとにゾレドロン酸およびシクロホスファミドを用いて行った。C57BL/6Jマウスと異なり、免疫不全マウスであるNOD/SCIDマウスでは顎骨壊死範囲が広く、2週間程度で死亡するマウスが多くみられた。そのため、シクロホスファミドの投与量を減量し作製した。つづいて、LNGFR(Low+)/THY-1(High+) DPSCをゾレドロン酸およびシクロホスファミドの投与を行ったマウスの抜歯窩に移植し、顎骨壊死予防についての効果を確認した。DPSCを移植したグループでは、抜歯窩が上皮で完全に被覆され骨露出は認められなかった。一方、DPSCを移植しなかったグループでは、上皮が欠損し壊死骨の露出が認められた。DPSC移植は、ゾレドロン酸およびシクロホスファミドを投与後の抜歯における顎骨壊死予防に有用であることが示唆された。今後は軟組織形成を促進する機序の解明を行うとともに、骨形成、骨リモデリングの改善、血管新生等についても検討を行っていく予定である。
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