研究課題/領域番号 |
16K11658
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
虻川 東嗣 明海大学, 歯学部, 准教授 (50453717)
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研究分担者 |
米山 勇哉 杏林大学, 医学部, 助教 (10759799)
近津 大地 東京医科大学, 医学部, 教授 (30343122)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 骨誘導因子 / PLGA / デキサメタゾン / アスコルビン酸 / ベータグリセロリン酸 |
研究実績の概要 |
骨髄未分化細胞が骨芽細胞に分化するために必要な骨誘導因子(OS: dexamethasone, ascorbic acid, beta-glycerophosphate)をPLGA(poly DL-lactide-co-galactide)に封入してOS/PLGAを作製した。PLGAは5%、10%、15%のうち、15%(w/w)がもっとも操作性が優れていた。 Dexamethasoneの濃度の違いによる多彩な生理作用から、骨芽細胞分化因子をdexamethasoneからprostaglandinへ変更することを検討したが、研究の一貫性を維持する目的で最終的にdexamethasoneを用いた。 28年度までの研究においてPLGAからOSを徐放させることにすでに成功していた。しかし、SC/PL法(solvent-casting and particulate leaching)において、ascorbic acidおよび beta-glycerophosphateが十分にクロロホルムに溶解していないことが予備実験で確認された。そこで計画を変更し、OSをPLGA内に封入させるのではなく、OSを生理食塩水に溶解して、ミクロレベルのporous構造を持つPLGAに浸透させる方法に変更した。PLGA内への生理食塩水の完全な浸透は、陰圧ポンプを用いてOS含有生理食塩水を完全に浸透させることが可能であった。平成30年度の研究の中で、OSの徐放をHPLCで定量する予定である。上記のごとくPLGAの溶解(biodegradable)とともにOSを溶出させる方法から、natural release へと計画を一部変更する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PLGAからOSを徐放させることにすでに成功していたが、HPLCでPLGAから徐放されるOSの定量値が安定しなかったため原因を追究していた。結果として、SC/PL法(solvent-casting and particulate leaching)において、ascorbic acidおよび beta-glycerophosphateが十分にクロロホルムに溶解していないことが予備実験で確認された。いくつか他の溶解法を試みたが完全ではなく、研究方法の変更が必要と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
OS(dexamethasone, ascorbic acid, beta-glycerophosphate)をPLGA内に封入させるのではなく、OSを生理食塩水に溶解して、ミクロレベルのporous構造を持つPLGAに浸透させる方法に変更した。PLGA内への生理食塩水の完全な浸透は、陰圧ポンプを用いてOS含有生理食塩水をPLGA内に完全に浸透させることが可能であった。平成30年度前半の研究の中で、porous構造のPLGAから時間とともに拡散してくるOSの徐放をHPLCで定量する予定である。PLGAの溶解(biodegradable)とともに、徐々にOSを溶出させる方法から、natural release へとコンセプトを変更する。年度後半には動物を用いたプレクリニカル実験に移行したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れにより、当初予定していたHPLCの測定経費が計上されていないため、次年度使用額が生じた。次年度にHPLCの測定経費として使用予定である。
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