研究成果の概要 |
骨形成を誘導するために, 時間経過とともに適量の骨誘導因子を放出するscaffoldを開発し, その放出局所濃度を評価した. ScaffoldとしてPLGAを用いた. 骨誘導因子としてデキサメタゾン(Dex), アスコルビン酸(AsAc), ベータグリセロリン酸(bGP)をPLGAに侵入させた. 時間経過とともにPLGA から放出される骨誘導因子を測定した.【結果】Dexは3時間まで放出が確認された. AsAcは3時間, 12時間, 24時間ともに放出が確認され, 時間依存的に濃度は低下した. bGPは3時間, 12時間, 24時間ともに放出が確認され, 時間依存的に濃度は低下した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
顎骨再建において, 多くの骨伝導能を有する材料が使われている. しかし骨誘導能を有し, かつ副作用のない材料は少ない. 本研究では骨が必要な場所へ骨形成を誘導するために, 時間経過とともに適量の骨誘導因子をcontrolled releaseするscaffoldを開発し, その放出局所濃度を測定した. 未分化細胞は骨誘導因子のDex(10-100 nM), AsAc(50 μg/mL), bGP(10 mM)のもとで効率的に骨芽細胞へ分化し増殖するが, 本研究では, PLGAから3種類の骨誘導因子を持続的に放出させることが可能となり, 骨芽細胞の分化・増殖に対し有効であることが示唆された.
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