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2016 年度 実施状況報告書

造血因子によるMedication-related顎骨壊死治療の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K11670
研究機関北海道大学

研究代表者

吉村 善隆  北海道大学, 歯学研究科, 准教授 (30230816)

研究分担者 鄭 漢忠  北海道大学, 歯学研究科, 教授 (80180066)
菊入 崇  北海道大学, 歯学研究科, 助教 (10322819)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード歯学 / 薬剤関連顎骨壊死
研究実績の概要

ビスフォスフォネート系製剤(ゾレドロン酸水和物)やヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤(デノスマブ)を代表とする骨吸収抑制剤の副作用である、外科的侵襲処置後に発症する薬剤関連顎骨壊死medication-related osteonecrosis of the jaw (MRONJ)は、歯科臨床において深刻な問題となっている。ビスフォスフォネート系製剤と抗RANKLモノクローナル抗体製剤では、破骨細胞に対する薬理学的作用機序が異なるため、抗RANKLモノクローナル抗体製剤による顎骨壊死の発症には、特別な作用機序が存在していると考え、抗RANKLモノクローナル抗体製剤による顎骨壊死の治療および発症予防法を構築するため、マウスを用いて検討を行った。
抗マウスRANKLモノクローナル抗体を週1回マウスの尾静脈から投与し、投与1か月後に全身麻酔下で上顎第一臼歯を抜去した。抜歯3週後に炭酸ガスによりマウスを屠殺し、マウスの抜歯窩周囲に発症したMRONJについて組織学的検討を行った。抗マウスRANKLモノクローナル抗体投与群では、抜歯窩閉鎖不全を伴う歯槽骨の露出と、抜歯窩周囲の歯槽骨における骨細胞の消失といった典型的な顎骨壊死の症状を発症していた。また、末梢血のフローサイトメトリー(FACS)解析において、免疫担当細胞に異常が認められた。さらに、このモデルマウスを解析したところ、胸腺が特徴的に縮小(萎縮)していることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に沿って順調に研究が進んでいる。さらに、研究計画書作成時と比較して新しい知見が得られており、今年度の実験を継続することでさらなる成果を上げられる可能性があると考えている。

今後の研究の推進方策

抗マウスRANKLモノクローナル抗体を投与したマウスでは胸腺が非投与したマウスと比較して特徴的に縮小(萎縮)していた。我々は、抗RANKLモノクローナル抗体製剤による顎骨壊死の発症がこの胸腺の萎縮に関連しているものではないかと考えている。以上の仮説から、今後の研究では、抗RANKLモノクローナル抗体製剤投与による胸腺の萎縮の理由および、胸腺の萎縮によって引き起こされる免疫系の異常について解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

物品費(消耗品費)においてキャンペーン品や特別価格などがあり、当初予定額より支出が抑えられ、経費の節約ができ、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

経費の節約により生じた未使用額195,561円については、今年度の物品費(消耗品費)の購入に使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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