研究実績の概要 |
研究成果の概要 Bisphosphonates (BPs) には,窒素含有BPs (N-BPs) と窒素非含有BPs (non-N-BPs) があり,骨粗鬆症などの骨吸収促進性疾患の予防治療薬として広く用いられている.N-BPsの骨吸収抑制作用は極めて強いが,N-BPsには,主に初回点滴投与後のインフルエンザ様炎症と,反復投与後に口腔組織に発症する持続性炎症と顎骨壊死があり,発症機序の解明と予防治療方法の開発が求められている.当該研究期間における私達の研究実施状況を要約する. (1) マウス耳介モデル実験で,N-BPによる炎症は細菌成分LPSにより増強され,炎症性サイトカインIL-1・IL-1・IL-18の産生が増強され,non-N-BPのclodronateにより強く抑制されることを発見 (Funayama et al., 投稿中).(2) マウス実験で,non-N-BPのetidronateは,脊髄リン酸トランスポーターの抑制を介して強い鎮痛効果をもつことを発見 (Yamagata et al., 投稿中). (3) N-BPs初回点滴投与後の炎症性副作用に,LPSとN-BPの相互作用によるIL-1産生増強が関与し,clodronateによる予防の可能性をマウス実験で示唆 (Suzuki et al., 作製中). (4) N-BPとLPSは相互作用によりTLR4 (LPS受容体) の発現を増強することをマウス実験で発見 (Bando et al., 作成中). (5) N-BPsによる口腔組織での持続性炎症の機序として,N-BPとLPSの相互作用によるヒスタミン産生増強が関与する可能性をマウス実験で示唆 (Bando et al., 作成中).(6) N-BPsの炎症性副作用とnon-N-BPsによる予防治療に関して,Endo が関係したこれまでの研究成果の総説 (Endo, 準備中).
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