研究課題/領域番号 |
16K11683
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻 忠孝 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (50527231)
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研究分担者 |
田中 晋 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00367541)
古郷 幹彦 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (20205371)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 摂食行動 |
研究実績の概要 |
昨年度,B6SJL-Tg (SOD1*G93A) 1Gur/Jマウスの体重は,実験開始から徐々に増加していったが,40-60日目をピークに減少する傾向が観察された.そこで,実験開始から40日目までの期間を前半,40日目以降を後半とし,それぞれの期間で4回以上,摂食行動実験を実施し,摂食量を分析した.B6SJL-Tg (SOD1*G93A) 1Gur/J群の日中の4時間の累積摂食量は,前半が0.63±0.07 g,後半が0.85±0.08 g,また,夜間の4時間の累積摂食量は,前半が1.06±0.11 g,後半が0.92±0.12 gであった.つまり,体重減少がみられた後半の時期では,活動が亢進する夜間の摂食行動が抑制され,日中の活動休止期での摂食量が増加しており,全身の筋肉萎縮にともない摂食行動様式が変化していることが推測された.一方,B6SJL-Tg (SOD1) 2Gur/J群の日中の累積摂食量は,前半が0.49±0.14 g,後半が0.61±0.11 gであった.夜間の累積摂食量は,前半が0.86±0.05 g,後半が0.81±0.17 gであった.両群間の累積摂食量の差は,前半では,日中は0.14gであったが,夜間は0.21gであり,後半になると,日中は0.24g,夜間は0.12gであった.B6SJL-Tg (SOD1*G93A) 1Gur/Jマウスの日中の摂食量の増加が起因していると推測される.通常,C57BL6マウスであれば,実験開始1時間以内に摂食行動が観察されるが,両群の摂食行動開始までの時間は,夜間にも関わらず,1時間以上をこえており,摂食に対するモチベーションも変化していることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遂行中の実験で使用しているマニピュレーターが故障し,新規で購入するためには時間を要するため.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果より,ALSモデルマウスの摂食行動は,C57BL6マウスとは異なっており,咀嚼運動自体も変化している可能性が高い.今後は,咀嚼を制御している三叉神経中脳路核,運動核に焦点をおき,視床下部生理活性物質を用いて三叉神経系ニューロンの膜興奮特性変化について,whole-cell patch clamp recording techniqueにて検討を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
遂行中の実験で使用している装置(マニピュレーター)が故障し,新規で購入するためには時間を要し,補助事業期間の延長を希望したため.次年度への使用が生じた.また,翌年度分として請求した助成金は物品費として使用する予定である.
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