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2016 年度 実施状況報告書

唾液腺癌幹細胞における転写因子NR4A2を介した抗癌剤抵抗性のメカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K11684
研究機関広島大学

研究代表者

石岡 康希  広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (70770840)

研究分担者 小野 重弘  広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (70379882)
重石 英生  広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (90397943)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード唾液腺癌 / 癌幹細胞 / NR4A2
研究実績の概要

(1)唾液腺癌幹細胞におけるアポトーシス抵抗性の検討
唾液腺癌由来細胞株を用いて、FACS解析によりCD44high/ESAlow 細胞、CD44high/ESAhigh細胞、CD44low 細胞をそれぞれsortingした。CD44high/ESAlow細胞、CD44high/ESAhigh細胞、CD44low細胞において、AnnexinVを用いて、5-FUにより誘導されるアポトーシス細胞を検出した。その結果、CD44high/ESAlow細胞は最も高いアポトーシス抵抗性を示し、またCD44high/ESAhigh細胞のアポトーシス抵抗性は外因性のPGE2により増加した。
(2)転写因子NR4A2によるアポトーシス抵抗性への影響
NR4A2は口腔扁平上皮癌細胞において外因性PGE2およびEGFRからのシグナルによる制御を受け、抗癌剤抵抗性に関与することを報告した(Shigeishi et al. Cancer letters, 2011)。今回、CD44high/ESAhigh細胞におけるNR4A2発現の検討したところ、
蛍光免疫染色にてNR4A2は主に核内に発現を認めた。さらに、PGE2添加によってNR4A2のmRNA発現は増加し、PKA inhibitorの添加により、NR4A2 mRNA発現は減少した。以上の結果から、CD44high/ESAhigh細胞のNR4A2の発現にはPGE2が関与していることが示唆された。今後は、この結果をふまえ、CD44high/ESAlow細胞にNR4A2 siRNA発現ベクターを遺伝子導入し、抗癌剤により誘導されるアポトーシス細胞の変化について検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(理由)癌幹細胞形質を示す、CD44high/ESAhigh細胞のアポトーシス抵抗性には、外因性PGE2 により発現が誘導される転写因子NR4A2が関与している可能性が示唆された。

今後の研究の推進方策

1.CD44high/ESAlow細胞におけるNR4A2の役割を明らかにするため、NR4A2 siRNA発現ベクターを遺伝子導入し、抗癌剤により誘導されるアポトーシス細胞の変化を検討する。
2.NR4A2過剰発現細胞における癌幹細胞形質の検討を行う。NR4A2を過剰発現させた唾液腺癌細胞を作成し、幹細胞マーカー遺伝子の発現及びALDH1の酵素活性を解析し、癌幹細胞形質について検討する。また、FACS解析により、CD44high/ ESAlow細胞やCD44high/ESAhigh細胞の割合を検討する。

次年度使用額が生じた理由

マイクロアレイ解析とNR4A2過剰発現ベクター作成を本年度は行わなかったため。

次年度使用額の使用計画

マイクロアレイ解析とNR4A2過剰発現ベクター作成を行う予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] CD44high /ALDH1high head and neck squamous cell carcinoma cells exhibit mesenchymal characteristics and GSK3β-dependent cancer stem cell properties.2016

    • 著者名/発表者名
      Seino S, Shigeishi H, Hashikata M, Higashikawa K, Tobiume K, Uetsuki R, Ishida Y, Sasaki K, Naruse T, Rahman MZ, Ono S, Simasue H, Ohta K, Sugiyama M, Takechi M.
    • 雑誌名

      J Oral Pathol Med.

      巻: 45(3) ページ: 180-188

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Snail-induced CD44high cells in HNSCC with high ABC transporter capacity exhibit potent resistance to cisplatin and docetaxel.2016

    • 著者名/発表者名
      Hashikata M, Shigeishi H, Okui G, Yamamoto K, Tobiume K, Seino S, Uetsuki R, Kato H, Ishioka Y, Ono S, Ohta K, Higashikawa K, Sugiyama M, Takechi M.
    • 雑誌名

      Int J Clin Exp Pathol.

      巻: 9(8) ページ: 7908-7918

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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