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2016 年度 実施状況報告書

HTLV-1関連シェーグレン症候群の病態解明に向けた免疫学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K11691
研究機関九州大学

研究代表者

田中 昭彦  九州大学, 大学病院, 医員 (70615799)

研究分担者 森山 雅文  九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
安永 純一朗  京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 講師 (40362404)
中村 誠司  九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードシェーグレン症候群 / HTLV-1 / サイトカイン / ケモカイン
研究実績の概要

シェーグレン症候群(SS)は涙腺や唾液腺をはじめとする外分泌腺のリンパ球浸潤を主体とする慢性の炎症性疾患であるが、その発症や病態進展については不明な点が多い。最近の研究では、その要因の一つとしてウイルスの関与が示唆されているが、その中でもヒトT 細胞白血病ウイルスI 型(HTLV-1)は、T細胞の細胞増殖や炎症性サイトカイン産生を促進し、SSをはじめとする自己免疫疾患を惹起することが報告されている。HTLV-1関連脊髄症(HAM)患者はしばしば多関節症や間質性肺炎を合併し、HAM患者の約6割にSSを合併するという報告もある。唾液腺造影での所見の有無(Rubin&Holt分類)と口唇腺生検組織でのリンパ球浸潤の程度(Greenspan分類)でSSを評価すると、HTLV-1(+) SSでは唾液腺構造破壊をきたしにくいことが報告されている(Clin ExLp Rheumatol. 2008.)。また、SSの唾液腺組織にはしばしばリンパ濾胞が形成され,この部位でSSの免疫反応が惹起されると考えられているが、HTLV-1(+) SS(特にHAMの合併例)では胚中心(GC)形成をほとんど認めないことも明らかとなっている。このように、HTLV-1(+) SSとHTLV-1(-) SSの臨床像が明らかに違うことから、免疫学的な見地からも、病態形成のメカニズムが異なることが推察される。本研究ではHTLV-1抗体陽性および陰性のシェーグレン症候群患者の口唇腺を用いて病変局所におけるThサブセットの局在について検討を行い、SSの病態形成におけるHTLV-1の作用機序を解明することを目的とした。まず、口唇腺より抽出したmRNAを用いてRNAマイクロアレイ法を用いて遺伝子発現を網羅的に解析。さらに、発現変動遺伝子をリストアップして、SS患者の口唇腺・唾液中・血清中におけるそれらの発現と局在を検索し、臨床所見との検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

網羅的解析を行っているものの、候補遺伝子が多いためシェーグレン症候群に関連する遺伝子の抽出に時間を要している。

今後の研究の推進方策

われわれはこれまでの研究からシェーグレン症候群患者(HTLV-1陰性)の唾液腺におけるヘルパーT細胞に注目し、シェーグレン症候群の発症・病態維持にはヘルパーT細胞1とヘルパーT細胞17が、病態進展にはヘルパーT細胞2と濾胞性Tfh細胞が重要な役割を担っていることを見出している。次年度はそれらの関連分子とRNAマイクロアレイ法にで抽出された遺伝子について口唇腺局所における検索を行っていく予定。

次年度使用額が生じた理由

本年度はRNAマイクロアレイを中心に研究を計画していたが、検体の収集が十分でなく必要な回数のRNAマイクロアレイが施行出来なかったため、当初の予定より物品費が減額した。

次年度使用額の使用計画

前年度に計画していたが行えなかった分のRNAマイクロアレイを行う予定。また、それにより抽出された候補遺伝子についてValidationを行っていく予定

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公開日: 2018-01-16  

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