研究課題/領域番号 |
16K11695
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
雨宮 傑 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90398389)
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研究分担者 |
足立 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10613573)
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歯学 / 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 臨床 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,歯周組織再生に有効な新規培養細胞シートを開発することである.われわれはこれまで,羊膜を基質に用いた培養歯根膜由来細胞(PDL細胞)シートの作製に成功し,動物移植実験にて新生骨(歯周組織)再生能を有すことを報告してきた.近年,羊膜は細胞の培養基質としての有用性・有効性が注目されている生体材料であるが,その効果については不明な点が多い.そこで今回,羊膜上培養PDL細胞シートにおける羊膜の培養基質としての効果についての検討を行った. 材料および方法については、羊膜は帝王切開時の胎盤より採取し,PDL細胞は抜去歯より採取した歯根膜を初代培養後,3から4代継代したものを研究に供した.上皮細胞を剥離,除去した羊膜上にてPDL細胞を約3週間の培養を行い,羊膜上培養PDL細胞シートを作製,組織再生・修復および骨再生に関する遺伝子解析を行った.なお,本研究は本学医学倫理審査委員会の許可を得た上で実施した. 結果として,DNAマイクロアレイ法にて,羊膜上培養PDL細胞シートとPDL細胞の遺伝子群の発現因子を網羅的に解析した結果,羊膜上培養PDL細胞シートは,組織修復・血管新生に関与するStromal cell-derived factor-1(SDF-1)および細胞を骨芽細胞への分化を促進するインスリン様増殖遺伝子1(IGF-1)の遺伝子が強発現していた.また real-time PCRによる遺伝子発現定量解析を行ったところ,羊膜上培養PDL細胞シートはPDL細胞と比較し,SDF-1およびIGF-1の発現量増加を示した. 羊膜上培養PDL細胞シートは,組織修復作用ならびに骨再生能を有する結果が得られた.以上より,羊膜はPDL細胞の骨分化を促進する役割だけでなく,新生骨(歯周組織)の再生に有効な培養基質となる可能性が示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
羊膜上培養歯根膜由来細胞シートおよび歯根膜由来細胞に対して、組織再生・修復に関与するSDF-1、ならびに骨芽細胞への分化を促進するIGF-1などの発現について、そのメカニズムを解明するために、マイクロアレイ法にて網羅的に遺伝子発現を比較検討、ならびにreal time PCR法を用いた定量分析を実施しており、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
羊膜上培養歯根膜由来細胞シートのマイクロアレイによる遺伝子解析を行った結果,歯根膜由来細胞(対照群)と比較して、各種成長因子やケモカインの産生を促す研究データが得られた。よって、羊膜が歯根膜由来細胞のへの増殖・分化を誘導するシグナル(成長)因子の産生に影響を与える可能性が考えられ、今後これらの成長因子やケモカインについて検討を加えていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度内に研究試薬調達が間に合わず、予定額を下回った。
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次年度使用額の使用計画 |
研究試薬の調達、購入ならびに研究成果発表のための旅費、論文投稿費として使用する予定である。
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