研究課題
顎下腺器官培養組織を用いた唾液腺機能低下関連タンパク同定:唾液腺器官培養組織は胎齢12.5日のマウス胎子から採取し、外植片①(顎下腺・舌下腺原基が混在したもの)、外植片②(①に舌筋を含んだもの)の2種類を器官培養し、放射線照射量は5Gyに設定した。これまでの結果から、外植片①より外植片②に増殖因子(EGF、HGF、KGF、FGF)が多く発現することが明らかとなっている。唾液腺障害前後で増殖因子がどのように変化するかを解析した。外植片①と外植片②は共に、それらの増殖因子はタンパク発現およびmRNA発現が減少していた。また、唾液腺の機能マーカーであるアミラーゼタンパクも同様に発現の減少を認め、障害前後で差異が認められた。しかしながら唾液腺周囲の筋肉や結合組織が付随している外植片②はその影響が少なかった。それらの増殖因子は唾液腺の機能低下に関連する可能性が示唆されたため、その中でも再現性が優れているEGFとFG7/10の2種を、機能低下関連タンパクを作用する実験に用いることとした。顎下腺器官培養組織を用いた唾液腺機能低下関連タンパク作用:外因性の増殖因子の影響が明瞭な外植片①を用いて、唾液腺機能低下関連タンパク作用の検討を行った。機能が低下した唾液腺に対し、2つの増殖因子(EGFとFG7/10)にて刺激を行い、72時間後に試料を採取し、その影響について検討した。形態学的変化については分枝形成の数は50%の増加を認めた。機能的変化についてはアミラーゼがタンパク・メッセージレベルでの回復傾向を示し、さらにアクアポリン5タンパク発現の増加を示した。
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