研究課題/領域番号 |
16K11737
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50309473)
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研究分担者 |
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
川邊 睦記 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10760720)
岸本 裕充 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30291818)
中野 芳朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30360267)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口腔癌 / がん化学療法 / 放射線治療 / 治療抵抗性 / 遺伝子変化 |
研究実績の概要 |
本研究では癌患者の癌遺伝子・癌抑制遺伝子の変異を癌治療に活かし、口腔癌治療で無効な癌化学療法や放射線治療の機会を少なくすることである。同時にin vitroで解析結果を検証できるように手術検体から培養細胞を樹立し、CDDPやCmabを作用させて耐性細胞を樹立する。耐性機構の解析を行うため、樹立した親株と耐性細胞株をcDNAマイクロアレイで検討し、耐性機序の解析を行う。 われわれは癌組織からほぼコンタミネーションなしに高率に培養細胞株を作成する技術を確立している。本年度は、本研究に対して同意を得られた4人の患者よりすでに新規培養細胞株および腫瘍間質に存在する癌関連繊維芽細胞(cancer associated fibroblast : CAF)を対にして4種類の作成に成功した。これらの細胞を本学に装備されている次世代シークエンサーのMiSeq、プラットフォームとしてTruSeq Amplicon - Cancer panelを用いて癌遺伝子および癌抑制遺伝子の変異を確認した。それぞれの細胞を用いて口腔癌に対する癌化学療法の第一選択薬であるシスプラチン、口腔癌に唯一、適応がある分子標的薬のセツキシマブ、そして放射線を持続的に暴露することで、シスプラチン、セツキシマブ、放射線耐性を獲得した癌細胞を作製中である。 さらに、CAFとのサイトカインやケモカインの相互作用を確認するため非接触型共培養を用いてリンパ節転移に関与する蛋白の発現を示唆する実験結果を得たので、現在、解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞培養については順調に進んでいる。放射線耐性細胞の作成に、照射器までの搬送に距離があり、コンタミが生じて若干遅れているが、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は耐性細胞を完成・維持し、次世代シークエンサーによる解析を行い、親株との差を確認する。その際、複数の遺伝子候補が得られると考えられるので、RT-PCRによる確認を行ったのち、siRNAまたはshRNAを遺伝子導入し、それぞれの抗癌剤に対する感受性の改善を確認する。また、CAFと癌細胞の相互細胞により抗癌剤の感受性が悪くなるメカニズムをケモカイン相互作用の面から解析を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
わずかに残金が生じたが、実験計画は順調でありとくに問題はない。
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次年度使用額の使用計画 |
実験結果の論文投稿が始まるので、投稿料に使用する。
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