研究課題/領域番号 |
16K11739
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松下 和裕 北海道大学, 歯学研究科, 助教 (10399933)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 顎関節 / 軌跡 / フォースセンサー |
研究実績の概要 |
顎関節の動きを皮膚の上に設置したセンサーで評価するシステムの構築を試みた。センサーは日本写真印刷株式会社製のフォースセンサーを選定した。基盤の大きさは関節の可動域を30mm程度と推定し、55mmX55mmセンサーを用いた。全体概要は、センサーはフレキシブル基板(FPC)を介してUSB-ZIF変換基板と接続し、USBケーブルでコンピュータに接続した。センサーの形態は平面とし手指でスマートフォンのタッチパネルをなぞるように、顎関節頭の外側極で基盤をなぞり、その軌跡を点の動きとして描出することを目指した。センサーのコアの部分の構造は変更できないが、センサー表面のコーティング剤は工夫できるため保護フィルムの有効性を研討した。また、効率的な設置方法も検討した。センサー保護のフィルムの効果は現時点では判然とせず、さらに、良好な体裁がある可能性も考えられた。設置は徒手で押しつける方法、ほおづえをついて測定する方法、テープで押さえつける方法、何らかのクッションを介在させる方法など様々行い、軌跡を本センサー用に独自に開発した簡易ビューアーで圧迫した範囲の重点として表示したところ、結果的には台所の洗浄用のスポンジにセンサーを接着剤で固定し、そのままスポンジの外から皮膚に圧迫する方法が現時点は一番効果的できれいに軌跡が描出できた。同一被験者で繰り返し測定し確認したところ、再現性は得られ信頼のおけるデータと認識した。 今後は、左右の顎関節の動きの差異を測定するため、左右同時にセンサーを装着して行ううことを予定しているが、簡易ビュアーには同時描出できる機能がないこと、描出画面を適宜回転できないこと等の問題もあるため、この点の改善についても努める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MRIのシネモードで撮影した軌跡と比較して、センサーで描出されている軌跡の距離が一致しているか否かの整合性も研討したが、MRIでは顎関節外側極と内側極を結ぶ長軸に垂直な面でかつ直線上の距離として計測されるため、皮膚上に置いたセンサーで描出される軌跡と異なり、距離を比較することはできなかった。逆に、従来はこの直線距離を可動距離として表していたが、実際の可動域は滑らかな曲線を描いており、これまでに無い新鮮で正確な可動距離が計測できた。また、本センサーで経時的変化を追うことも可能であるため、これまでに無い関節の可動域に関連する様々な研究に応用可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終的には顎変形症の手術時、下顎枝を分割した際に近位骨片を従来の位置に整復するガイドとして活用したいが、そこまでの精度は現時点ではだせていない。ただ、描出された軌跡そのものは信憑性があるため、側方への偏位や形態不全がある人の顎運動の評価はできそうであり、これまでに無い視点でのデータを収集する。また、術前、術後の軌跡の変化や改善の度合いなどを評価して、臨床応用することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
センサーの選定ならびに設置方法の研討に時間がかかったため、センサーの改良費用や、新たな購入の費用が余った形になった。
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次年度使用額の使用計画 |
センサーの改良や購入するため費用がかかり、それに付随したビュアーや解析ソフトも必要になるため、これらに使用する予定である。
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