研究課題/領域番号 |
16K11739
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松下 和裕 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (10399933)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 顎関節 / 下顎枝矢状分割術 / 軌跡 |
研究実績の概要 |
昨年施行したスポンジにセンサーを付着して顎関節の軌跡を描出する様態でのテータ収集を引き続き行った。徒手で外側からスポンジを顎関節に圧迫し計測を行うが、一様に徒手で圧迫しただけでは力の分布が広範囲になり、その重心を計算上で求めた際、”ぼける”状態となるため、正確な軌跡は評価できなかった。そのため、顎関節の可動に同調させて、関節頭外側極の位置を推測しながら徒手で押す手法で描出した。結果、比較的きれいな軌跡が採取できるものの、力の入れ方や力の方向でデータが左右され、再現性のあるものとは言いづらかった。そのため、弾力絆や弾性包帯で関節周囲を覆いデータを収集した。比較的再現性のあるデータは採取できたが、センサーの設置位置や配線なども工夫も必要であるため、頻回に手際良く採取するためには設置方法、センサーの形態など改善すべき点が多数あることが判明した。 センサーのビュアーが1チャンネルであるため、左右の顎関節の軌跡を一度に採取して重ね合わせての評価ができない。骨格形態による顎関節の軌跡の違い、左右非対称症例での左右の関節の動きの違いなども、同一画面で重ね合わせて評価したかったが、困難ではあった。特に下顎後退症では習慣位として顎関節は関節窩内で前方に位置している事が多く、下顎後方位(あるいは中心位)との違いなどについて描出したかったが、精度の関係から困難ではあった。また、前後方向や上下方向への軌跡だけでななく、頬側舌側側への軌跡もフォースセンターの3次元描出が可能である特徴より、測定評価したかったが、前述の如く外側からの力の入れ方でも左右されるため、なかなか困難であることも判明した。興味のあるデータが採取できた一方で、問題も多々浮き彫りになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
骨格形態による顎関節の可動の軌跡を描出し、それを手術に反映させたかったが、手術に必要な1mmのオーダーでの描出はなかなか困難であった。しかし、これまで下顎の滑走運動は比較的ストレート、あるいは緩やかな曲線を呈して動くと考えられていたが、関節結節を超える周囲でむしろ逆方向に動く軌跡が、いくつかの症例で示された。通常行っているMRIシネで同様の所見はあまり得られた記憶がないが、今回のセンサーでの描出で初めて明らかになった。MRIの撮影断面とセンサーで感知している位置は異なるため、この違いについての評価は今後必要かと思われた。
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今後の研究の推進方策 |
効率の良い顎関節の軌跡の描出方法を引き続き検討すると同時に、骨格形態によるその差異を検討する。当初は前後的、上下的な描出に加え、内外側方向への描出も念頭に置いていたが、まず、前者の2次元での描出に的を絞って特徴を見いだす。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率良いデータ収集の試行錯誤の状態であり、解析や評価に踏み切れいていない。この効率の良い手法の改善に費用が今後もかかり、そして、解析や評価が具体的に始まれば、費用は予定どおり必要になると考えている。
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