研究課題
Tamarinらの方法に準じて,マウス(C57BL/6JJcl, 8週,雌性)の顎下腺をチタンクリップで結紮し,顎下腺結紮モデルマウスを作成した。結紮モデルマウスを24時間後および1週間後,1週間結紮し解除3週間後に屠殺,顎下腺を摘出した。1週間結紮顎下腺は,非結紮顎下腺と比較して,大きさ,重量ともに減少しており,やや弾性硬であった。結紮解除3週間後には,大きさは2/3程度回復が確認できた。HE染色を行うと,24時間結紮した顎下腺組織の導管は拡張していた。1週間結紮した顎下腺組織では,腺房細胞は萎縮し,その周囲に炎症細胞が 浸潤しており,導管細胞は残存していた。解除後3週間経過したものは,導管周囲に腺房細胞が再生していることが確認できた。これら組織学的変化を参考に,24時間結紮した顎下腺と非結紮顎下腺組織とについて,Sure Print G3マウス遺伝子発現8×60kv2(Agilent Technologies Japan)および3D Gene Mouse miRNA Oligoチップ(TORAY、Japan)を用いて,遺伝子およびmiRNAの発現変化を調べた。マイクロアレイ解析において,非結紮顎下腺に比較して24時間結紮した顎下腺で4倍以上発現が上昇した15 miRNAおよび103遺伝子,1/4倍以下に発現が低下した13 miRNAおよび150遺伝子を確認した。さらに,顎下腺の結紮によって発現上昇したmiRNAの標的遺伝子をmiRBaseとmiRDBデータベースを用いて検索したところ,miR-710では,カットオフ値2.5倍以上で, Clip4とIer 5が挙げられた。免疫組織学的染色を行うとうと,Ier 5は導管細胞ではなく,腺房細胞に局在しており,24時間結紮することにより発現の増加が確認出来た。
すべて 2018
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Dentomaxillofacial Radiology
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