研究課題/領域番号 |
16K11760
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
馬場 優 奥羽大学, 歯学部, 教授 (40597663)
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研究分担者 |
高田 訓 奥羽大学, 歯学部, 教授 (40254875)
加藤 靖正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50214408)
藤井 正人 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 名誉部長 (70129633)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口腔癌 / バイオマーカー / EGFR阻害剤 |
研究実績の概要 |
[目的] 平成28年度の研究テーマは、「PIK3CA遺伝子変異が口腔癌に対するEGFR阻害剤の効果予測因子になりえるか否か」である。本テーマにおいてPIK3CA遺伝子変異とEGFR阻害剤に対する感受性との因果関係を解析した。[材料及び方法] 細胞株として、ヒト歯肉癌細胞株Ca9-22細胞(EGFR, K-Ras, PIK3CA遺伝子:野生型)およびヒト舌癌由来細胞株HSC4細胞(EGFR, K-Ras遺伝子:野生型、PIK3CA遺伝子:G1633A変異)を使用した。また、特異的EGFR阻害剤としてAG1478を使用した。[結果] 10μMの AG1478を72時間添加すると、PIK3CA 遺伝子が野生型であるCa9-22細胞において燐酸化型AKT蛋白発現減少に伴いアポトーシス現象が誘導された。一方、PIK3CA遺伝子がG1633A変異を示すHSC4細胞においては燐酸化型AKT蛋白発現は有意には減少せずアポトーシス現象はおこらなかった。また、細胞増殖測定系において、PIK3CA 遺伝子が野生型であるCa9-22細胞において生細胞率は約70%まで減少したが、PIK3CA遺伝子がG1633A変異を示すHSC4細胞において生細胞率は明らかには減少しなかった。この結果から、PIK3CA遺伝子変異とAG1478に対する感受性に相関関係があることが明らかになった。また、PIK3CA 遺伝子が野生型であるCa9-22細胞にG1633A変異型PIK3CA 遺伝子を導入し、親株と遺伝子導入株とを、AG1478に対する感受性の違いに関して細胞増殖測定系にて比較したところ、親株に比べてG1633A変異型PIK3CA 遺伝子導入株ではAG1478による死細胞数が有意に減少した。[結論] PIK3CA遺伝子変異は口腔癌に対するEGFR阻害剤の効果予測因子の一つである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大部分が、予想通りの結果であったので、おおむね順調である。ただし、当初予定していたヒト舌癌由来細胞株HSC2が10%血清入り培地で培養していても、ある程度の%でアポトーシスを起こしていたので、HSC2細胞が使用できなくなった事実は残念なことである。
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今後の研究の推進方策 |
PIK3CA遺伝子変異を有する口腔癌細胞株におけるEGFR阻害剤とデグエリンの併用効果を検討する。すなわち、HSC4細胞および変異型PIK3CA遺伝子を導入したCa9-22細胞においてEGFR阻害剤とデグエリンの併用効果を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に予定していた実験が順調すぎ、実験に必要な試薬などの消耗品費が予測よりも多く抑えられたためと思われる。
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次年度使用額の使用計画 |
しかしながら、研究にはtry and errorがつきものであるため、平成29年度に予定している実験のために、研究費を有効に使用させていただく予定である。
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