研究課題
基盤研究(C)
レミフェンタニル投与時には、外頸動脈系から内頸動脈系への血流の再分布は認められず、皮膚や粘膜とその他の口腔組織との間で血流の再分布が起こる可能性が考えられた。レミフェンタニルは口腔組織酸素消費量の減少をもたらし、これに見合うだけの組織血流量の減少が起こることによって組織酸素分圧が維持されることが示唆された。レミフェンタニル投与時に動脈血二酸化炭素分圧を上昇あるいは低下させても、組織酸素分圧は変化せず、良好な組織酸素代謝が維持されたと考えられた。
歯科麻酔学
顎骨に対する手術であれば、レミフェンタニルを用いた全身麻酔に軽度の過換気を併用することで、組織酸素代謝を維持しつつ骨髄血流量を減少させることができるなど、レミフェンタニルの投与速度と換気条件を変化させることによって、良好な組織酸素代謝を維持しつつ組織血流量を減少させ、出血量の軽減に貢献するとともに、手術後に良好な創傷治癒をもたらす全身麻酔法を実施できる可能性が示唆された。