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2017 年度 実施状況報告書

舌乳頭新生技術の開発を目指す特殊粘膜への組織転換機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K11767
研究機関日本歯科大学

研究代表者

吉村 建  日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (90297953)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード舌粘膜 / 遺伝子導入 / AAV(アデノ随伴ウイルス) / エレクトロポレーション / マイクロインジェクション / exo utero / 子宮外発生法
研究実績の概要

平成28年度でエレクトロポレーション法による胎仔舌組織内への遺伝子導入の効率が高くないことが判明したため、新たにAAV(アデノ随伴ウイルス)による遺伝子導入を試行した。新たに研究協力者となった本学生化学講座の森田貴雄先生にGFP発現AAVベクターの作製を依頼し、E16マウス胎仔舌器官培養組織に1)AAVをマイクロインジェクション 2)AAVを培地添加し、それぞれトランスフェクションさせた後DMEM(+)培地にて器官培養を行い2週間後に4%PFA固定後、クライオスタットによる厚切り切片を作成しZeissLSM710共焦点顕微鏡によりトランスフェクトされたGFPの蛍光を観察した。その結果、エレクトロポレーション法による遺伝子導入部位は舌粘膜表面の上皮細胞に限局された反面、AAVトランスフェクションでは舌体深部にも導入が確認された。
また、器官培養ではin vivoのように舌の発生が進行しない問題があったため、親マウス体内の胎仔に直接マイクロインジェクションを行い、胎仔を維持する手法を島根大学医学部解剖学講座発生生物学の大谷 浩先生より研究協力並びに指導を受け試行を行った。この手法(exo utero子宮外発生法及びマイクロインジェクション)を用い、今回はAAVの代わりにインクを用い手術を試行した。胎仔を親の体内で24時間維持する事ができ、胎仔舌組織内へのインジェクションの状況も検証した。
一方高感度in situ hybridization法による組織内での遺伝子の挙動の確認のために、RNAScope システムを導入した。現在染色に向けて準備を行っている所である。これら手法を用い、平成30年度には胎仔舌組織に候補遺伝子のsiRNAトランスフェクションを行い、1)遺伝子の挙動の確認2)in situ hybridization法による組織内での遺伝子の挙動の確認を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた胎仔舌粘膜組織へのsiRNA導入の効率が予想以上に低かった。そのため、エレクトロポレーション法の他に導入効率の良い方法の試行が求められた。
また、胎仔組織の器官培養(in vitro)に関しても、親の子宮内(in vivo)で起こる発生よりも大幅に遅延するなど異なることも判明したため、通常の発生に近づけるため、親マウス子宮内胎仔に直接マイクロインジェクションを行い、胎仔を維持する手法を導入する必要に迫られたため。

今後の研究の推進方策

今回新たに試行したAAVによる候補遺伝子siRNAの胎仔舌組織への導入を進める。最終的にはex-ovoマイクロインジェクション法を用い、胎仔舌組織内にsiRNA-AAVを導入し、親の体内で胎仔を維持し、トランスフェクションを行い、遺伝子導入部位を採取したい。同時に胎仔舌組織に於けるin situ hybridization法による検出も進め、導入部位に於ける遺伝子の挙動を併せて検出したい。

次年度使用額が生じた理由

先述したように、平成28年度でエレクトロポレーション法による遺伝子導入の効率が高くないことが判明したため、当初計画された解析が困難な状況となり、新たな遺伝子導入法の試行が必要となったため。同時にAAV(アデノ付随ウイルス)は病原性を持たないものの、P1(※実験動物生体適用の際はP1A)となるため、別途本学遺伝子組み換え委員会での審査並びに手続き完了まで時間を要したため。さらに、本学動物実験施設が新設され、竣工までに動物実験ができない時期が発生したため。

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公開日: 2018-12-17  

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