研究課題/領域番号 |
16K11778
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00420258)
|
研究分担者 |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
吉田 謙一 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (40166947)
前田 秀将 東京医科大学, 医学部, 助教 (60407963)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 閉塞性無呼吸症候群 / 間欠的低酸素曝露 / 成長期動物 |
研究実績の概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸は、就寝中における上部気道の反復性閉塞による間欠的低酸素(Intermittent hypoxia: IH)状態を主徴とする。我々は、過去の本大会においてIH曝露に伴う成長期ラット鼻腔気道の劣成長とそれによる呼吸障害の増悪の可能性を示唆してきた。一方、呼吸器疾患においては気道リモデリングの病態に対する炎症の関与が知られているが、IH曝露下における鼻腔気道の形態成長障害と炎症との関連は不明である。本研究では、成長期IH曝露ラットモデルを用いて、鼻腔を中心とした上部気道における炎症代謝の変調について検討することを目的とした。実験方法として、7週齢Sprague-Dawley雄性ラット(n=12)を、無作為に実験群(n=6)および対照群(n=6)の2群に分け、各群をそれぞれIHおよび大気曝露下で3週間飼育した。3週後に屠殺し、鼻腔前頭断の凍結切片を作成し、HE染色および免疫染色にて組織学的評価を行った。さらに、鼻腔粘膜を採取し、炎症性マーカーであるTNFαおよびIL1β、線維化マーカーであるTGFβのmRNA発現レベルを定量PCR法を用いて比較検討した。統計学的解析には、Mann-WhitneyのU検定を用いた (p<0.05) 。結果、実験期間を通じて両群間の体重に有意差は認められなかった。組織学的 ・免疫組織学的解析において、対照群と比較して実験群で炎症性マーカーの発現上昇が観察された。定量PCR法により、対照群と比較して、実験群において炎症性マーカーおよび繊維化マーカーの発現レベルが有意に増加した。以上のことから、成長期のIH暴露は、鼻腔粘膜における炎症性反応を活性化し、上部気道の形態変化をもたらす可能性が示唆された。 また、機序の経路解析のため、β2受容体遮断薬ブトキサミンの投与実験を行い、現在、解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通り、動物実験の実施および組織解析、成果の発表を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
病態機序の経路解析のため、β2受容体遮断薬ブトキサミンの投与実験を行い、解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画した薬理学的解析が途中であるため。
|
次年度使用額の使用計画 |
計画した薬理学的解析に使用する。
|