研究課題/領域番号 |
16K11781
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渡 一平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10431941)
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研究分担者 |
渡部 徹郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00334235)
KA 井上 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90302877)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 次世代シークエンサー / RNAseq / 骨再生 / 遺伝子治療 / 核酸医療 / 転写ネットワーク / バイオインフォマティクス解析 |
研究実績の概要 |
骨代謝制御に関わるGPCR遺伝子転写制御ネットワークを解明し、骨再生遺伝子治療を開発することが本研究の目的である。当該年度では、マウス前骨芽細胞MC3T3-E1を標準培地、BMP-2添加培地およびGPCRアゴニスト(GLP-1など)添加培地にて72時間培養した後、RNAを抽出し、次世代シークエンサー(Hi Seq 2500, Illumina社)を用いてRNA seqを行った。シークエンス(read長: 4000万)の結果からFPKM値を算出し、既知および未知遺伝子と転写産物についてそれぞれ発現量の比較検討を行った。本解析にはToPHat、Bowtie2およびGenedata Expressionistを用いた。RNA seqの結果、同定された遺伝子は約32000個で、BMP2添加により発現量が2倍以上に上昇した遺伝子は約6000個、GLP-1添加により発現量が2倍以上に上昇した遺伝子は約4000個であった。BMP-2およびGLP-1添加に共通して増加した遺伝子は約2500個で、そのうち新規の遺伝子は約1000個であった。一方、同定された転写産物は約70000個で、BMP-2添加において発現量が2倍以上に上昇した転写産物は約22000個、GLP-1添加において発現量が2倍以上に上昇した転写産物は約19000個であった。BMP-2およびGLP-1添加に共通して増加した転写産物は約12000個であり、新規の転写産物は約9000個であった。当該年度はGPCRシグナルに関連した骨・糖代謝相互作用に着目して網羅的転写解析を行ったが、骨、糖代謝以外の多くの代謝経路に影響を与えている可能性があり、non-codingを含めた未知の転写産物が関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RNAseqの結果、各種GPCRアゴニストの影響を受けて発現が上昇する新規の遺伝子や転写産物がある程度同定できたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのデータをもとに、GO解析、クラスタリング解析等を継続していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでの結果をもとに、さらにin vitroの実験を継続し詳細な解析を行っていく必要があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
細胞培養実験およびシークエンスにかかる消耗品、データマイニングに必要なHDDなどの経費を見込んでいる。
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