研究課題
本研究の全体構想は、再生医療における細胞の供給源として、高い増殖能および多分化能を有し、歯科治療で比較的容易に入手可能な乳歯歯髄幹細胞由来 間葉系幹細胞(SHED)の有効性を明らかにし、口腔および顎顔面領域の骨再生医療に応用することを目指した検討を行うことであった。平成28年度では、SHEDの骨再生関連特性の検討を目的とした、骨髄由来間葉系幹細胞(BMSCs)や歯髄由来間葉系幹細胞(DPSCs)との比較検討の結果、いずれも同等の骨分化能を有していることが明らかとなった。平成29年度では、再生組織の微小環境の変化を明らかにするため、BALB/c-nuマウス骨欠損部へのSHED/CAP担体移植を行った。μCTによる評価では、SHED移植群では対照群と比 較して有意な骨再生が認められ、BMSCs群、DPSCs群に比較してより高い骨再生傾向が認められた。平成30年度では、動物実験による検討を継続して行った。BALB/c-nuマウス骨欠損部へのSHED/CAP担体移植後、蛍光標識したMSCsをラット血管へ投与したところ、MSCsの移植部への集積が明らかとなった。さらに、経時的検討を行ったところ、蛍光標識MSCsは、移植後15日で移植直後に比較して約30%にまで減少することが明らかとなった。また、再生骨体積率は、SHED 群、hDPSCs 群、hBMSCs 群、対照群の順に大きな 値を示した。細胞を移植した 3 群と対照群との間にはそれぞれ有意差は認 められたが、3 群間には有意差は認められなかった。SHED の高い増殖能と骨再生能が明らかとなり、骨再生治療に有用であることが示唆された。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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