研究課題/領域番号 |
16K11790
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
國松 亮 広島大学, 病院(歯), 講師 (40580915)
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研究分担者 |
鷲見 圭輔 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (00707078) [辞退]
加来 真人 広島大学, 病院(歯), 講師 (10325194)
谷本 幸太郎 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 教授 (20322240)
廣瀬 尚人 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (50611935)
吉見 友希 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (50707081)
柄 優至 広島大学, 病院(歯), 助教 (50737682)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 代謝活性 / レーザー / アメロゲニン / ペプチド / シグナル伝達 |
研究実績の概要 |
H30年度は、これまでの研究を総括し、論文発表に必要なデータの構築を行った。ヒト培養脂肪由来間葉系幹細胞に対して、C末端側アメロゲニンペプチドを添加すると、LAMP1/ ERK/1/2/ ELKシグナル伝達機構を介して細胞増殖能に影響を及ぼすことが解明された(Ando K et al., 2018;24(25):2993-3001)。また、超短パルス半導体レーザー照射がラット実験的歯の移動モデルに及ぼす影響について検証を継続した。CT解析により、レーザー照射群は、対照群と比較して、歯牙移動が有意に増加した。免疫組織学による検証では、圧迫側において、レーザー照射群では、対照群と比較して、RANKLおよびTRAPの発現が亢進された。牽引則においてはレーザー照射群では、対照群と比較してPCNAおよびALPの高発現が確認された(Gunji et al.,Lasers Surg Med 50(7):772-780, 2018)。
以上の結果より、アメロゲニンの活性部位はC末端側であることが明らかとなった。歯周組織構成細胞および間葉系幹細胞に対して、細胞増殖能や基質代謝能へ影響を及ぼすことが明らかとなった。その作用機序として、LAMP1/ERK/ELKのシグナル伝達経路が示唆された。アメロゲニンペプチドを応用した組織修復の可能性が強く示唆された。 そして、超短パルス半導体レーザー照射を行うことで歯周組織の代謝活性が亢進し、歯の移動が促進される可能性が明らかとなった。矯正歯科治療の効率化を達成しうる手段として、超短パルス半導体レーザーの応用の可能性が示唆された。
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