研究課題/領域番号 |
16K11794
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
飯嶋 雅弘 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20305915)
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研究分担者 |
六車 武史 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (20343436)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | バイオアクティブガラス / キトサン / エナメル質再石灰化 / ナノ粒子 |
研究実績の概要 |
矯正歯科治療における金属アレルギーとエナメル質脱灰に対する対策は重要である。高い生体親和性とエナメル質再石灰化誘導能を有する矯正用材料の開発が望まれる。本研究では、バイオガラス(BG)の高い生体親和性とイオン溶出能、キトサンの再石灰化反応におけるイニシエーターとしての働き、銀ナノ粒子の抗菌性等の複数作用が期待できるBG/キトサン/銀ナノ複合粒子を創成し、この複合粒子を用いたエレクトロディポジショニング(EPD)法による矯正装置の表面改質法と改質層の機能について検討することを目的とする。平成29年度においては、SrBG粒子を含有する4-META系試作接着材料を作成し、脱灰エナメル質の再石灰化能を調べた。脱灰したエナメル質は、SrBG含有レジンとともに人工唾液中に浸漬することによりストロンチウムアパタイト再石灰化層が形成され、脱灰エナメル質の機械的特性が有意に回復した。また、BGのサスペンションを用いたEPD法により、ステンレススチールの表面改質(BGコーティング)をした。交流電源により作成したBGコーティング層は、優れた審美性を有する厚さ約1~4μmの非晶質層であり、母材への優れた密着性を示した。本試料は脱灰エナメル質の再石灰を加速することが分かった。キトサン粒子とBGを咬合したゲルを試作し、脱灰エナメル質にすり込み、その後人工唾液に浸漬することにより脱灰したエナメル質の機械的特性が有意に回復した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
キトサンのナノ粒子化させる条件を見出すのに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、キトサンナノ粒子の構造解析を行う。加えて、ゲル状のキトサンとバイオガラスを混合し、脱灰エナメル質にすり込み、脱灰エナメル質の再石灰化に及ぼす影響を詳細に調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
キトサンのナノ粒子を作成するのに予想以上に時間がかかり、その関連実験に必要な消耗品の購入が遅れているため。
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