| 研究成果の概要 |
In vivoで, daidzeinをラット歯根膜に注射により投与した結果, 矯正力を負荷した後の歯の後戻り量は減少し, 歯根膜細胞の細胞増殖能が高まり, コラーゲンI型（ COL-I ）, マトリックスメタロプロテイナーゼ（ MMP ）1の発現量が増加した。 In vitroでは, 伸展力がかかっている歯根膜細胞で, COL-IおよびMMP1発現量がdaidzeinにより増加した。このことから, daidzeinは歯根膜細胞の細胞増殖を活発化し, コラーゲン代謝を促進させることで, 矯正治療後の後戻りの抑制に有用である可能性が示唆された。
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| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から, daidzeinがヒト歯根膜の細胞増殖を活発化し，それに伴いコラーゲン代謝を促進させることで, 矯正歯科治療後の後戻りの一因と考えられる歯根膜の伸展を抑制するのに有用であることが明らかとなり, 矯正学的歯の移動後の後戻りに対するdaidzeinの抑制効果について新たな知見が得られた。
これらのことより，矯正治療後のリテーナー（保定装置）の使用を患者に委ねることなく, 歯の後戻りを抑制することができ, 再治療のリスクが減少することによって患者のQOLが向上することが期待でき, 歯科矯正臨床の今後一層の発展が望めるものとなった。
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