研究課題/領域番号 |
16K11812
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
浅川 剛吉 昭和大学, 歯学部, 助教 (20347884)
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研究分担者 |
吉村 健太郎 昭和大学, 歯学部, 助教 (10585699)
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20295132)
長谷川 智一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 講師 (50274668)
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歯根膜由来細胞 / Down症候群 / SDF-1 / FGF-2 |
研究実績の概要 |
治療のため健全患者およびDown症候群患者から、抜去した(永久歯・乳歯)から歯根膜を分離培養し獲得した細胞にSimian virus 40 Large T (SV40) およびhuman telomerase reverse transcriptase (hTERT ) の発現ベクターを導入後、 single cell cloningし、獲得したヒト永久歯歯根膜由来細胞と、ヒトDown症候群永久歯歯根膜由来細胞 、ヒトDown症候群乳歯歯根膜由来細胞 を使用してFGF-2を10ng/ml投与後24時間,48時間後の骨髄間質細胞誘導因子(SDF-1)発現の特徴について検討を行った。(昭和大学歯学部医の倫理委員会承認番号第2013-007号)SDF-1の発現について確認したところヒト永久歯歯根膜由来細胞と比較してDown症候群由来細胞では優位に発現が低く、FGF-2の効果も認めない結果を得た。ヒト永久歯由来細胞においてはFGF-2により優位にSDF-1の発現が抑制されていることを確認した。SDFー1とCXCR4とのシステムが発生過程で心室中隔形成や血管形成に重要な役割があるとの報告からも、これらはDown症は血管新生能が低いことと関連が示唆されDown症候群患者の歯周組織における恒常性の調節機構にも特徴があると考えられた。 また、獲得したHomogeneousなヒト永久歯歯根膜由来細胞のPopulation Doubling levelsはHayflick limitを超えて(180以上)細胞分裂を確認、脂肪細胞や石灰化能を確認した。SDFー1の発現についても同様にFGFー2により優位に発現の抑制を認めた。 現在マウス歯髄由来細胞を分離培養しDown症モデルマウスについても同様に確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、ヒト永久歯歯根膜由来細胞については不死化を行い、分化能を解析中である。Down症由来歯根膜細胞の発育が遅れているが、再度ヒトDown症由来歯根膜細胞を獲得する機会があり解消できると考えている。また、現在マウス歯髄由来細胞を分離培養に成功し、間も無くマウス歯根膜由来細胞も獲得できると考える。SDF-1についての解析も順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はマウス歯根膜由来細胞を獲得する。また、飼育中のDown症モデルマウスから歯髄由来細胞、歯根膜由来細胞を獲得し解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
メディウムや必要研究備品について既存のものの使用が可能であったため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、研究備品を購入する必要があり、また研究成果発表など必要不可欠である。
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