本研究の目的は、上顎正中過剰歯発症に関与する遺伝子の解明である。上顎正中過剰歯群と対照群の一塩基多型(SNP)ジェノタイピングアレイ解析を行い、アレル頻度で19番染色体、X染色体、2番染色体上に両群間で示唆的な差を示すSNPが検出されたことから、これらの染色体上に上顎正中過剰歯発症に関わる遺伝要因が存在する可能性が示唆された。また、げっ歯類において上顎切歯部過剰歯発症と関連が報告されている5遺伝子、および歯の初期発生に関与する16遺伝子中の高頻度SNPのアレルの頻度を両群間で調査したが、有意な差は検出されず、他の多型が原因である可能性が示唆された。
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