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2016 年度 実施状況報告書

象牙質・歯髄複合体の修復反応における骨髄間葉系細胞の関与

研究課題

研究課題/領域番号 16K11817
研究機関松本歯科大学

研究代表者

正村 正仁  松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (30367536)

研究分担者 大須賀 直人  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (80247535)
川上 敏行  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (80104892)
辻極 秀次  岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
中野 敬介  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10325095)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード水酸化カルシウム製剤 / 歯科用生体材料
研究実績の概要

平成28年度は、マウス・ラットを用いて、その皮下組織に対する水酸化カルシウム製剤埋入時の病理組織学的解析を行った。加えて、その他の歯科用材料(止血用ゼラチンスポンジ、縫合糸等の日常臨床において頻用されているもの)についても同様に解析を試みた。いずれの材料に関しても、肉芽組織の増殖、繊維芽細胞やマクロファージの出現から始まり、その後のさらなる肉芽組織の増勢、多核巨細胞の増加などが観察された。つまり、これらの材料においては、マクロファージや多核巨細胞などの細胞成分に富んだ肉芽組織が増殖して活発な貪食処理が行われており、その生体使用時に周囲組織に対して大きな為害作用を及ぼさないであろう事が確認された。また水酸化カルシウム製剤では、Von Kossa染色をおこなった際に、埋入後4週と12週で多核巨細胞が陽性反応を示した。これにより水酸化カルシウム製剤のカルシウム成分や,埋入部に形成された石灰化物などが多核巨細胞によって活発に貪食処理されているとの明確な結論を得た。これは従来から先人によりなされてきた水酸化カルシウム製剤に対する組織反応についての報告結果に、より強い根拠を持たせる大切な知見であると考えられる。前述した歯科用材料は、いずれも今日の日常臨床の現場に広く普及しており、特に小児歯科領域においてはその使用頻度が高い。医療における患者の安全確保は当然の事ながら最重要案件であり、まず何よりも優先されなければならない。その事を踏まえた上で、昨今の医療現場を取り巻く状況を鑑みると、これらの結果は価値のある安全性に関しての検証といえるであろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

GFP骨髄細胞移植動物が実験の初期段階で死亡したため。

今後の研究の推進方策

若干、進捗状況の遅れがあるものの、当初計画に基づき GFP骨髄細胞移植マウス・ラットを用いて、その皮下組織に対する水酸化カルシウム製剤埋入時の病理組織学的解析を行い、該当部への骨髄間葉系細胞の動態・機能を解明する。また可能であれば、その他の歯科用材料(止血用ゼラチンスポンジ、縫合糸等)についても同様の解析を行えればと考えている。また、平成29年度はGFP骨髄細胞移植動物の実験中の死亡を防ぐため、実験時の全身麻酔法に変更を加えようと計画している。

次年度使用額が生じた理由

消耗品の一部が当初予定額よりも安く購入できたため。

次年度使用額の使用計画

次年度に必要となる消耗品の購入に使用する事を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 吸収性縫合糸のラット皮下における組織反応2016

    • 著者名/発表者名
      中安喜一、松田紗衣佳、正村正仁、大須賀直人
    • 学会等名
      第35回日本小児歯科学会中部地方会
    • 発表場所
      松本歯科大学(長野県塩尻市)
    • 年月日
      2016-10-30
  • [学会発表] 吸収性縫合糸に対するラットにおける組織反応の病理組織学的検討2016

    • 著者名/発表者名
      中安喜一、松田紗衣佳、正村正仁、大須賀直人、川上敏行
    • 学会等名
      第59回日本口腔科学会中部地方会
    • 発表場所
      松本歯科大学(長野県塩尻市)
    • 年月日
      2016-09-11
  • [図書] ADVANCES in MEDICINE and BIOLOGY2016

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Kawakami et al.
    • 総ページ数
      237
    • 出版者
      Nova biomedical

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公開日: 2018-01-16  

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