研究課題/領域番号 |
16K11821
|
研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
松本 尚之 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70199884)
|
研究分担者 |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (20228430)
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (90547259)
李 佩祺 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (70782100)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 口唇口蓋裂治療 |
研究実績の概要 |
唇顎口蓋裂などの骨欠損治療は、未だ困難を伴う症例である。このような骨欠損部に対し二次的新鮮自家腸骨海綿骨移植や吸収性の足場材料の応用が進められている。しかしながら、しばしば臨床現場では、自家骨や吸収性の足場材料が早期に吸収してしまい長期効果がみられないことが散見される。 その様な中、申請者らは、ラット頭蓋骨で臨界欠損を作り、臨界欠損作製時に得られた自家骨や人工材料を移植し、エックス線と特殊染色方法を使って骨の成長と吸収ならびに炎症細胞と破骨細胞を観察し、自家骨や人工骨移植後の骨吸収では大量のTNF-αが分泌されること、破骨細胞が活性化することを明らかにした。更に、インターフェロンガンマー(IFN-γ)が、TNF-αの分泌や破骨細胞活性を抑制することで、術後の骨吸収・人工骨吸収を抑制し、長期的な骨置換を促す事を明らかにした。この知見を踏まえ、本研究では、破骨細胞抑制因子を組み合わせた新規骨形成材料の開発を行い、口唇口蓋裂部の再生のための臨床研究へと繋げることを目標としている。 H30年度は、H29年度に合成した複数の混合比の異なるエピガロカテキンガレート(EGCG)結合ゼラチンの骨再生能・骨質を頭蓋冠骨欠損モデルを用いて評価した。その結果、EGCG量の変化により骨再生能が変化する事を明らかにした。また、同量のEGCGを埋入した場合でも、ゼラチン量の違いにより担体の骨再生能が大きく異なる事を明らかとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の混合比の異なるEGCG結合ゼラチンの骨再生能・骨質を頭蓋冠骨欠損モデルを用いて評価したところ、EGCG量の変化により骨再生能が変化する事を明らかにした。
|
今後の研究の推進方策 |
イヌ人工顎裂モデルを用いた移植実験に先んじて、ラット先天性顎裂モデルを導入しその予備的検討を行った。その結果、最適化されたEGCG結合ゼラチンは、ラット先天性顎裂モデル内で骨形成を促し、大型動物での応用に資する材料となることがわかった。
|
次年度使用額が生じた理由 |
メカニズム解析に使用する分子生物学的試薬の購入を行わなかったから。遺伝子発現解析ならびに大型動物を用いた実験を行う。
|