研究課題/領域番号 |
16K11826
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小林 宏明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50396967)
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研究分担者 |
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60510352)
小田 茂 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 准教授 (70160869)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Thrombospondin-1 / ヒト歯根膜細胞 |
研究実績の概要 |
歯周炎の疾患進行において、免疫応答と骨代謝には強い繋がりがある。我々は、DNAマイクロアレイによる探索と歯周炎局所での発現結果をもとに、Thrombospondin-1(TSP-1)が歯周炎の疾患進行に強く関与していることを発見し報告した。TSP-1は上皮細胞、骨芽細胞、破骨細胞、線維芽細胞などさまざまな細胞に影響を与える多機能マトリックスタンパクであり、歯周炎の病態形成において重要である骨破壊に対し、TSP-1がなんらかの役割を担っている可能性が考えられるが、歯根膜細胞に対するTSP-1の働きや、歯肉上皮細胞や歯肉線維芽細胞との関連、歯槽骨吸収に至るメカニズムへの影響には不明な点が多い。本研究の目的は、TSP-1が歯周組織構成細胞に与える影響を探索し、特に歯根膜細胞に対しての作用を明らかにすることにより、歯周炎の骨代謝経路におけるTSP-1の役割を解明することである。 本年度は、歯根膜細胞の役割を研究する目的で、抜去歯根表面からヒト歯根膜細胞を回収した。ヒト歯根膜細胞の初代培養を行い、細胞実験に用いた。歯周炎の刺激状態を再現するために、抜去歯の露出歯根面からDAMPsを回収し、刺激因子として用いた。次に、ヒト歯根膜細胞の挙動を調べる目的で、ヒト歯根膜細胞に対して、DAMPs, TSP-1で刺激したところ、濃度依存的にIL-1β、TNF-αを産生した。また、この炎症性サイトカイン産生はインフラマソーム阻害剤によって、抑制が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯根膜細胞のプライマリーカルチャーに時間と手間がかかったが、それ以外はおおむね順調に進展している。今後は、歯根膜細胞の入手も培養も問題なく行える。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト歯根膜細胞におけるCD36とCD47の発現を、mRNAレベルとタンパクレベルで測定する。また、ひと歯根膜細胞に炎症性の刺激を加えて、炎症状態におけるCD36,CD47発現の変化を計測する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 本年度で使用予定であった、免疫染色が次年度にまわったため、予算を次年度にまわしている。 (使用計画) 免疫染色を行う予定である。
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