研究課題/領域番号 |
16K11838
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10453630)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スフェロイド / 歯根膜細胞 / 血管内皮細胞 / 歯周組織再生 |
研究実績の概要 |
スフェロイド(細胞凝集塊)は細胞が多数凝集して3次元状態になったもので、細胞分化などの生理的機能が向上しており再生医療への応用が期待されている。我々は多分化能を有する歯根膜細胞(PDL)と血管新生に関わるヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)による共培養スフェロイドを作製し、in vitroならびにin vivoにおいて機能解析を行うこととした。昨年度までに、歯根膜細胞・血管内皮細胞共培養スフェロイドでは、幹細胞性マーカーであるOct4, Nanogの発現が上昇し、骨分化条件においては、ALPの発現が増強することが明らかにした。本年度は、SDラット(7週齢)56匹を8群(共培養スフェロイド群・PDLスフェロイド群・PDL単層培養群・HUVEC単層培養群・マトリゲル群・Sham群)に分け、全身麻酔奏功後、上顎両側第1大臼歯近心分岐部に歯科用バーを用いて歯周組織欠損を作製し、欠損部に共培養スフェロイド・PDLスフェロイド・単層培養PDL・単層培養HUVEC・マトリゲルを填入して縫合した。4週、8週後に屠殺し歯槽骨を採取し、実験動物用3DマイクロX線CT装置を使用して、ラット上顎骨の3次元分析を実施し、新生骨の再生を検討した。水平断CT画像の根分岐部における骨充填率を2次元的に定量し、さらに、根分岐部から歯根尖までの海綿骨量(BV/TV)を3次元的に計測した。また、採取した歯槽骨の切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色を行い、歯周組織の再生を検討した。PDL-HUVEC共培養スフェロイド移植群では、骨充填率、BV/TVにおいて、PDLスフェロイド、PDL単層培養移植群に比べて、歯槽骨形成が有意に上昇していた。また、歯周組織切片においても、同様に、PDL-HUVEC共培養スフェロイド移植群の歯周組織再生はPDLスフェロイド、PDL単層培養移植群に比較して、有意に増強されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していたラットを用いた移植実験を行うことができたが、組織切片作製がやや遅れ、歯根膜線維の走行を観察するためのアザン染色がまだ、終了していないため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度行った共培養スフェロイド移植実験のサンプルを用いて、組織切片における、セメント質再生量・歯根膜再生量を定量化する予定である。また、アザン染色を行い、歯根膜のシャーピー線維のセメント質への走行を観察する予定である。これらの結果を踏まえて、歯根膜細胞・血管内皮細胞共培養スフェロイドの歯周組織再生への有用性について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験で使用するラットの匹数が当初の予定より少なかったため、さらに使用予定であった抗体を納期の問題で購入することができなかったため。
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