ヒトアメロゲニンエクソン5は6個のアミノ酸シークエンス(WYQSIR)からなり、7個のアミノ酸で構成されるブタ由来のエクソン5に比較してアミノ酸が1個少なく、N(アスパラギン)とM(メチオニン)がS(セリン)に置き換わっている。このヒト型の6個のアミノ酸シークエンスに基づき合成したペプチドのヒト歯根膜幹細胞に対する影響を検討した。昨年度に見出したヒト型合成ペプチドの至適濃度がブタ由来と比べ10倍高い値であったので、それを検証しつつ、この濃度に基づき合成ペプチドを作用させ歯根膜幹細胞の細胞増殖能、ALP活性、カルシウム析出量およびオステオカルシン産生量の追試を行い、新たにRunx2 mRNAおよびオステオネクチンmRNAの発現を検討した。齲蝕のない第三大臼歯および埋伏歯の歯根膜から細胞を分離培養して抗STRO-1抗体および抗SSEA-4体を用い、免疫染色して歯根膜幹細胞を同定し、用いた。 細胞増殖能について歯根膜幹細胞の培養後1,3,5,7日目にホルマザンによる検出を行い、解析ソフトの検討で7日後に有意に高くなった。ALP活性はワンステップPNPP法によって測定し、解析の結果、培養7、14日後に有意に亢進した。カルシウム析出量はカルシウムE-テストキットにより測定して解析し培養21日後に有意に増加した。カルシウム析出の可視化としてアリザリンレッド染色を行い検鏡した。オステオカルシン産生量はオステオカルシン検出キットによりELISA法で測定し、培養21日後に有意に増加した。遺伝子発現では歯根膜幹細胞をペプチド添加培地で培養し、total RNAを抽出し、RNAの逆転写を行い、cDNAを作製してステップワンプラス・リアルタイムPCR法でRunx2 およびオステオネクチンの各mRNAの発現を検討し、培養24時間後に前者は有意に増加したが、後者は逆に有意に減少したことを認めた。
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