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2016 年度 実施状況報告書

義歯作製治療時のストレス解析とハグ・抱擁効果を応用した新たなストレス緩和法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K11849
研究機関北海道大学

研究代表者

後藤 まりえ  北海道大学, 大学病院, 助教 (40374540)

研究分担者 横山 敦郎  北海道大学, 歯学研究科, 教授 (20210627)
下地 伸司  北海道大学, 歯学研究科, 助教 (30431373)
野川 敏史  北海道大学, 大学病院, 特任助教 (80759332)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード生体情報モニター / 歯科補綴治療 / 印象採得 / 自律神経 / ストレス緩和
研究実績の概要

全身状態をリアルタイムに把握できるモニターシステムを用い『義歯製作行程』 から受けるストレスについて,自律神経活動の変化を中心に検証する目的で,平成28年度は「実験Ⅰ:補綴治療(義歯作製過程)が自律神経活動に及ぼす影響の解明と評価方法の確立~有歯顎ボランティアによる基礎的研究~」の予定であった.今回は,補綴治療中偶発症を誘発しストレッサーとなる可能性が高い「印象採得」に焦点を絞り,基礎疾患を有しない健常ボランティア(当院所属の歯科医師11名)に対し,アルジネート印象材を用いた上顎概形印象採得時の自律神経活動,特に交感神経活動(LF/HF)の変化を評価した.歯科治療への恐怖心と現在の不安感についての質問票に回答後,生体情報モニターシステムを用いて「印象採得前」「採得中」「採得後」のLF/HF,心拍数(HR),血圧(BP)を連続的に測定した.各段階における不安感と生体情報の変化については平均値および標準誤差を算出して検討を行った.本研究は,北海道大学大学院歯学研究科臨床・疫学研究倫理委員会の承認を受けて行った(承認番号:2016第4号).
多くの被験者が歯科治療への恐怖心が殆どなくHRおよびBPは測定期間を通じて大きな変化は認められなかった.また恐怖心のない被験者の多くで,LF/HFに大きな上昇はみられず,測定期間を通して強いストレスを感じていないことが示唆された.ただし,印象採得中と比較し,採得前に高い傾向がみられ,処置自体よりも処置に対する不安,つまり精神面からのストレスが大きい可能性がある.一方,恐怖心の強い被験者のLF/HFは,測定期間を通して高い値が持続した.
これにより,本モニターシステムは歯科治療時のストレス検出が可能で,そのストレスは精神的要因が大きいことが示唆された.
本研究結果は日本補綴歯科学会126回学術大会(6/30-7/1)にて発表予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今回使用している生体情報モニターシステムでの補綴分野の研究は,我々にとって初めてであり,また実際にボランティアに行うにあたり,条件の一定化やその他の詳細部分の検討に多くの時間を費やした.特に印象採得を行う上で条件を一定にするための機材や材料,方法をより選定し行った.
さらに今後行う予定である内容についての検討も同時に行っているところである.

今後の研究の推進方策

健常ボランティアに対して次のステップである「精密印象採得」を行い,これまでの結果等を踏まえ,実際の患者を被検者とした研究に進んでいく予定である.

次年度使用額が生じた理由

購入を予定をしていた物品に本年度分として使用できる在庫があったことと,次行程である「精密印象採得」での使用予定材料に関して,進捗状況から購入していないためである.

次年度使用額の使用計画

予定通りの内容を遂行するよう「精密印象採得」に使用する「トレーレジンⅡ」「シリコーン系印象材」および「唾液ホルモン測定キット」等の購入を行う予定である.またそれらの研究成果についての発表を予定している.

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公開日: 2018-01-16  

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