大迫研究のコホート集団において、無歯顎者の高血圧発症リスクは、有歯顎者と比較して高く、無歯顎であることが将来の高血圧発症のリスク因子ないし予測因子である可能性が示唆された。また、統計学的に有意ではないものの、歯周病の悪化(重度歯周病罹患歯数の増加)が動脈硬化の進行と関連する傾向が認められた。 すなわち、将来の動脈硬化性疾患の発症予防を考える上で、歯周病の罹患そのものを回避するだけでなく、悪化を抑制することが重要であると考えられる。一方で、歯周病の進行と動脈硬化性疾患との関連には、残存歯数の減少そのものも影響を与えていることが示唆され、詳細解明のためには更なる検討が必要と考えられた。
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