研究課題/領域番号 |
16K11856
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
東 哲司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80432649)
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研究分担者 |
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
米田 俊樹 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60756071)
江國 大輔 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70346443)
友藤 孝明 朝日大学, 歯学部, 教授 (80335629)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 抗加齢 / 酸化ストレス / コーヒー / ラット |
研究実績の概要 |
加齢に伴い酸化ストレスが増加する。また、酸化ストレスの増加は歯周組織の退行性変化を促す。したがって、抗酸化物質の摂取による歯周組織の酸化ストレスの抑制は、加齢に伴う退行性変化を防ぐために重要である。そこで、本研究では、コーヒー粉末の摂取による抗酸化力の向上が、加齢に伴う歯周組織の酸化ストレスの増加にどのように作用するのかを検討した。 H29年度では、Fischer344系雄性ラット(8週齢)を、1.36%コーヒー粉末配合食摂取群(A群)と通常食摂取群(B群)の2群にわけ、12週間飼育した。実験期間終了後、歯周組織を採取し組織定量分析を行った。まず、ヘマトキシリン・エオジン染色を行い、歯周組織の付着上皮直下結合組織に存在する多核好中球数を計数した。次いで、酸化ストレスの指標として8-hydroxy-2’- deoxyguanosine (8-OHdG)の免疫染色を行い、歯周組織における8-OHdG陽性細胞率を求めた。さらに、酸化ストレス応答転写因子であるNF-E2-related factor-2 (Nrf2)の核内移行の程度を、蛍光染色で評価した。その結果、多核好中球は2群間で有意な差は認めなかった。8-OHdG陽性細胞率は、A群がB群と比較して有意に低かった(P<0.05)。一方、Nrf2核内移行率は、A群がB群と比較して有意に高い値を示した(P<0.05)。以上の結果から、コーヒー粉末の摂取は、歯周組織中のNrf2-keap 1系抗酸化経路を活性化させ、加齢による歯周組織の酸化ストレスの増加を抑制することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H29年度までに得られたデータを用いて、論文を作成できる段階まできている。
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今後の研究の推進方策 |
H30年度では、H29年度の実験期間終了時に採取した歯周組織を用いる。歯周組織からRNAを抽出し、PCRで増幅した後、DNAチップを用いたマイクロアレイ解析を行う。分析では、酸化ストレスおよび抗酸化に関わる遺伝子群の変化に注目し、1.36%コーヒー粉末配合食摂取群と通常食摂取群との比較を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)H30年度では、マイクロアレイを行えるだけの金額が必要である。そのため、H29 年度に配分された研究費の一部を、H30度の研究に充当することにした。 (使用計画)H30年度に予定しているマイクロアレイ解析の費用に充当する。具体的には、RNA抽出キット、RNA品質検査用品、RNA増幅キット、Gene chip等を購入予定である。
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