本研究は,周術期患者への医科歯科連携を支援する目的で,セルフチェックシートを用いた効率的な周術期口腔機能管理の方法を検討するものであり,その目的は,①周術期患者における歯科介入の必要性を評価するために,チェック項目と判定基準を検討し,再現性の高いセルフチェックシートを作成する,②実際の口腔内診査や画像診断により,周術期に歯科治療が必要と判断される診断基準を明確にする,③周術期患者において,セルフチェックシートによる判定と実際の診断ならびに歯科介入の必要性との関連を比較分析し,セルフチェックシートの有用性を検討することである。 セルフチェックシートによるデータ収集の対象者は,本研究に同意が得られた岡山大学病院周術期管理センター(PERIO)歯科部門初診患者とし,セルフチェックシートの記入は,歯科初診時に行った。記入方法は,自己記入法とした。ただし,自身での記入が困難な場合は,代理人による聞き取り記入を行った。 歯科部門初診時に口腔内診査を行い,歯周組織検査やパノラマ画像を基に,歯科的臨床診断を行い,周術期における歯科介入の要否の判断した。 500名分のデータを収集し,周術期の初診患者において,セルフチェックシートを用いて判定した歯科介入の必要度と,実際に行われた歯科的臨床診断および歯科的治療との関連の感度・特異度を算出し,セルフチェックシートが周術期患者のスクリーニングに有用か否かを検討した。国際学会,国内学会で研究成果の発表を行った。
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