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2017 年度 実施状況報告書

歯周病が高密度リポタンパク質の量と質に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K11862
研究機関長崎大学

研究代表者

林田 秀明  長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (20238140)

研究分担者 齋藤 俊行  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (10170515)
古堅 麗子  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (90253674)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード歯周病 / 高密度リポタンパク質
研究実績の概要

1.前年度 Porphyromonas gingivalis由来リポ多糖にはコレステロール流出およびマクロファージ細胞膜に存在するABCA1 および ABCG1の発現レベルに影響がなかったことから、P. gingivalis 381株菌体を用いて同様の系で実験を行った。すなわち、ヒトマクロファージ由来の細胞株THP-1細胞を標識試薬含有の培地で標識し、P. gingivalis菌体添加、高密度リポタンパク質(HDL)添加およびP. gingivalis菌体+HDL添加の3条件で処理後、コレステロール搬出率を測定し、比較した。HDL添加およびP. gingivalis+HDL添加群では同等のコレステロール流出率が観察されたが、P. gingivalis菌体のみではコレステロール流出がほとんど観察されなかった。また、細胞からmRNAおよびタンパク質を抽出し、ABCA1 および ABCG1の遺伝子発現およびタンパク量をP. gingivalis菌体添加、HDL添加およびP. gingivalis菌体+HDL添加の3群間で比較を行った。P. gingivalis菌体添加、HDL添加およびP. gingivalis菌体+HDL添加のすべての条件でABCA1 および ABC G1の遺伝子発現レベルに有意な差は認められなかった。一方、ABCA1 および ABCG1のタンパク量はHDL添加と比較してP. gingivalis菌体添加およびP. gingivali s菌体+HDL添加された群では、タンパク量が低下傾向であった。
2.歯周病原細菌によるHDLの機能的変化の影響を明らかにするために、ヒト血管内皮細胞(HUVEC)に対する抗炎症能について検討した。すなわちHUVECを通法にて培養し、P. gingivalis菌体とHDLをHUVECの培養上清に加え、腫瘍壊死因子TNF-αで刺激し、細胞接着因子VCAM-1の発現を比較したが、有意な差は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒトマクロファージ由来の細胞株THP-1細胞におけるコレステロール流出、コレステロール搬出に関与する遺伝子発現およびヒト血管内皮細胞における抗炎症能に関与する遺伝子発現の比較を実施するに当たって、歯周病菌P. gingivalisの菌数、HDLの濃度および反応時間等の条件設定の検討に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

H30年度は歯周炎モデルの動脈および消化器系における脂質代謝関連遺伝子の発現解析を予定しているが、H29年度までの研究計画とは独立して実施することが可能であるため、H29年度までの研究計画の中で十分に検討できなかったHDLの構成割合およびHDLの機能である抗酸化能に対する歯周病原細菌の影響の解析を平行して実施し、歯周病菌が機能不全HDLの誘導にどの程度関与しているかについて研究を推進し明らかにしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)実験計画に遅延が生じ、解析に使用する予定の器具、試薬の購入を控えたため。
(使用計画)H29年度までの計画であった高密度リポタンパク質(HDL)の組成の割合、脂質プロファイルにおける歯周病原細菌の影響を検討するための実験的歯周炎モデルによる遺伝子解析およびタンパク質発現解析に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 歯周病があると糖尿病になりやすいのか―疫学的研究成果から―2017

    • 著者名/発表者名
      齋藤 俊行、林田 秀明、古堅 麗子
    • 雑誌名

      月刊糖尿病

      巻: 10 ページ: 31~39

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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