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2018 年度 実施状況報告書

新たな摂食嚥下機能プロトコールは早期加齢リスクのあるダウン症候群に有効か?

研究課題

研究課題/領域番号 16K11870
研究機関日本歯科大学

研究代表者

水上 美樹  日本歯科大学, 生命歯学部, 医療職員 (60735695)

研究分担者 菊谷 武  日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (20214744)
松山 美和  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (30253462)
田村 文誉  日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (60297017)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードダウン症候群 / 咀嚼機能 / 摂食嚥下機能障害 / 粗大運動
研究実績の概要

昨年度までの研究結果より、プロトコールの作成にあたり、機能不全段階における段階の低い、つまり機能獲得が低い段階に誤嚥の疑いの高い事が判った。次に、ダウン症候群の誤嚥を引き起こす要因を咀嚼機能と嚥下機能に着眼し、新たな摂食機能レベルを4段階に分類し作成した。4段階の内訳は、Level1:咀嚼なし・嚥下不良、Level2:咀嚼あり・嚥下不、Level3:咀嚼なし・嚥下良好、Level4:咀嚼あり・嚥下良好である。この分類においては、認知発達段階の上昇に伴い咀嚼機能を獲得するものの割合が有意に多くなることがわかった。さらに、認知発達段階と機能段階、新摂食レベルには、有意な関連は認められなかったものの新摂食レベルにおいては、Lev.1とLev.3の咀嚼なしにⅠ-1が多い傾向にあった。これらのことからダウン症候群が安全に食事を摂取するためのプロトコールを作成するに当たっては、咀嚼機能の獲得を目指すことが一つの大きな目標である。前年度までは、これらのレベルとその対応方法を検討したが、今後の研究を進めるに当たっては、咀嚼機能の獲得に関与する要因を明確にしておくことが必要であると判断し、咀嚼機能未獲得のダウン症候群患者を対象として、一定期間の受診を経たのち咀嚼機能を獲得した群と未獲得であった群に分類し、咀嚼機能を獲得できない要因を明確にすることとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定では、新たな摂食機能レベルに対する対応を検討していく予定であったが、ダウン症候群の咀嚼機能の獲得を目的にプロトコールを作成していくにあたり咀嚼機能の獲得を阻害する要因を検討する必要性があるため、この部分に時間を要し予定よりやや遅れる結果となった。

今後の研究の推進方策

昨年度までの研究結果より、ダウン症候群が安全に食事を行う為には咀嚼機能を獲得することが一つの課題であることが判った。そして、プロトコールの作成にあたっては、咀嚼機能の獲得を阻害する要因を把握した上で進めていく必要性がある。
研究の推進方法としては、定型発達児で咀嚼機能を獲得する12か月~36か月までのダウン症候群患者を対象として、ダウン症候群の咀嚼機能を阻害すると考えられる要因との関連を検討する。対象の設定においては、年齢の他に初診時に咀嚼機能を有さない、自食によって口腔機能に影響をおよぼさないために全介助、1年以上摂食指導外来を受診している、全量経口摂取か経口摂取と経管栄養との併用とする。
そして、1年間の受診により、咀嚼機能獲得者と未獲得の2群に分けこれを目的変数とする。説明変数には、ダウン症候群の咀嚼機能に影響すると思われる、年齢、出生時の体重、過敏、偏食、粗大運動、認知発達段階、咬合発育の状態、舌突出の有無、口唇閉鎖の有無との関連を検討し、プロトコール作成を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度、研究内容に関する国際学会での発表および論文の作成に着手し、翻訳の依頼を行ったが翻訳修正などに時間を要し、支払いが次年度に繰り越されたために次年度使用が生じた。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類20182018

    • 著者名/発表者名
      浅野一恵,小城明子,近藤和泉,鈴木崇之,曽根翠,藤谷順子,水上美樹,向井美惠,弘中祥司,武原格
    • 雑誌名

      日摂食嚥下リハ会誌

      巻: 22 ページ: 59-73

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 摂食嚥下障害児がかかえる偏食と感覚過敏の問題2018

    • 著者名/発表者名
      水上美樹
    • 学会等名
      日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
  • [学会発表] オンライン医療による小児患者への摂食指導の試み2018

    • 著者名/発表者名
      永島圭悟,田村文誉,水上美樹,古屋裕康,町田麗子,菊谷 武
    • 学会等名
      障害者歯科学会
  • [学会発表] 口腔リハビリテーションクリニックにおける偏食を有する障害児の実態調査2018

    • 著者名/発表者名
      田中祐子,田村文誉,松山美和,山田裕之,保母妃美子,礒田友子,永島圭悟,水上美樹,
    • 学会等名
      障害者歯科学会
  • [学会発表] 遠隔診療による摂食指導の小児患者への試み2018

    • 著者名/発表者名
      田村文誉,永島圭悟,水上美樹,古屋裕康,町田麗子,菊谷 武
    • 学会等名
      日本摂食嚥下リハビリテーション学会
  • [学会発表] Developmental problems concerning children’s oral function, based on a2018

    • 著者名/発表者名
      Tamura F, Yamada H, Kikutani T
    • 学会等名
      Annual IAOM Convention
    • 国際学会
  • [図書] 摂食嚥下機能の発達とその障害 1)摂食嚥下機能の正常発達2018

    • 著者名/発表者名
      水上美樹
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      臨床栄養
  • [図書] 歯科衛生士が知っておきたい対象像の評価と管理2018

    • 著者名/発表者名
      水上美樹
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      デンタルハイジーン
  • [図書] 発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類2018-有効活用に向け2018

    • 著者名/発表者名
      水上美樹
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      臨床栄養
  • [図書] 子どもの「食べる楽しみ」を支援する 子どもの摂食嚥下の具体的なアセスメントの実際2018

    • 著者名/発表者名
      田村文誉
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      建帛社
    • ISBN
      978-4-7679-6194-1
  • [図書] 小児の口腔機能発達評価マニュアルを応用した口腔機能発達の支援~食べ方・栄養編~2018

    • 著者名/発表者名
      田村文誉,水上美樹
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      日本歯科医師会
  • [図書] 日本歯科医師会雑誌2018

    • 著者名/発表者名
      田村文誉,水上美樹
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      身近な臨床・これからの歯科医のための臨床講座,小児の口腔機能発達評価マニュアル

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公開日: 2019-12-27  

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