研究課題/領域番号 |
16K11872
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
三辺 正人 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60148004)
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研究分担者 |
工藤 値英子 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (00397887) [辞退]
中島 淳 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30326037)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 歯周病 / Porphyromonas Gingivitis |
研究実績の概要 |
近年,細菌感染症である歯周病と全身疾患との関連性に関して数多くの報告がされている中で,研究代表者および研究分担者は,歯科臨床研究により歯周病原細菌の感染が脂質代謝異常や動脈硬化へ影響を与える可能性を確認し報告してきた。この動脈硬化の原因の一つである脂肪肝には,アルコール性脂肪性疾患と非アルコール性脂肪性肝疾患(Non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD)があり ,飲酒歴や免疫系疾患がないにもかかわらず肝臓への脂肪蓄積が認められるNAFLD が大きな社会問題となっている。NAFLD には,脂肪 蓄積のみが認められる予後良好な単純性脂肪肝(Simplesteatosis)と,炎症や繊維化から肝硬変や肝癌へと進行する可能性のある非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis: NASH)がある。近年では,この肝硬変や肝癌などの重篤な肝障害を引き起こす可能性があるNASH への進展予防を目的として,NAFLD の早期発見と早期治療の重要性が叫ばれている。一方で,口腔内細菌によ る慢性感染症である歯周病は,成人の約8割が罹患している疾患であり,生活習慣病などの全身疾患を増悪する可能性が明らかになっている。以上のことから,まずは神奈川県内にて医科歯科連携によるNAFLD 患者の歯周病罹患状況と歯周治療効果を調査することが必要であると考えた。現在、神奈川歯科大学関連病院を受診中のNAFLD 患者の歯周病罹患状態を診査し,NAFLD患者の口腔内所見とP.g菌の感染率やNAFLDと歯周病重症度との関連性についての検討を進めている。さらに,歯周病を伴うNAFLD 患者に対して歯周治療によるNAFLDの改善効果について継時的に調査検討を実施中である。すでに目標症例数は到達しており、現在、最終解析に向けてフォロー中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神奈川歯科大学,横浜市立大学,岡山大学病院 臨床研究倫理審査委員会に,本研究に関わる倫理審査を申請し承認を得た。現在,予定通り対象者の集積を開始できている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,対象患者数を増やし一括解析を行っていく。 蓄積した患者データから,口腔内所見とP.g菌の感染率や歯周病重症度とNAFLD 重症度の関連性について統計学的に検討する。 さらに,「歯周病を伴うNAFLD 患者に対する歯周治療によるNAFLD の改善効果」について継時的に調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想に対して被験者数および検査検体数が伸びなかったために次年度使用額が生じた。 ただし、次年度にはスタッフを増員するなど検査数を増やすための工夫もしており、予定の症例数を進められると考えている。
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