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2017 年度 実施状況報告書

放電プラズマ法により新規合成された高純度過ギ酸における抗微生物活性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K11877
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

高橋 一也  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10236268)

研究分担者 小正 裕  大阪歯科大学, 医療保健学部, 教授 (10131385)
王 宝禮  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20213613)
南部 隆之  大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80367903)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード消毒薬 / 過ギ酸
研究実績の概要

化学合成によって生成された過ギ酸は,その強い酸化力によって細菌芽胞をはじめ各種ウイルス,抗酸菌などの微生物全般に対して強い殺滅活性を示すが,その溶液は強酸性であることや残留毒性の強いギ酸を含むことなどから,医療現場では消毒薬として広く受け入れられるに至っていない.本研究では,この新規消毒薬候補である高純度過ギ酸について,初めて体系的な抗微生物活性の検証を試みた.初年度は,化学合成過ギ酸を用いて実験系の構築が完了したことから,二年目は高純度過ギ酸の殺菌活性の検証を進めた.
(1)各種細菌に対する殺菌効果の検証
高純度過ギ酸の殺菌力に関する知見はまだほとんど得られていない.そこで平成29年度は,上記の化学合成過ギ酸や過酸化水素水を比較対象として,殺菌効果の比較検証を行った.大腸菌,Streptococcus mutans,Porphyromonas gingivalisを供試菌として用いた実験では,高純度過ギ酸は過酸化水素と似て化学合成過ギ酸より低い殺菌活性を示した.現在,これら殺菌力の差の原因がpHや反応条件にある可能性を探っているところである.
(2)口腔細菌に対する殺菌効果の検証
印象材や歯科診療チェア給水系などを消毒の対象とする場合,培養液中の浮遊細菌だけでなくバイオフィルム状態の細菌に対する消毒効果を検証することが重要である.平成29年度は,特に効果のある細菌を抽出するため次世代シークエンサーを用いた解析を進めた.現在,そのデータ解析を進めているところである.今後,結果がまとまり次第,学会と論文発表を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

多少の実験の前後はあるが,おおむね当初の計画通りに実験が進捗している.

今後の研究の推進方策

平成29年度に得られた結果をもとに,次の研究を進める.1.次世代シークエンサーMiSeqを用いた抗菌スペクトラムの解析を行う.2.細菌芽胞に対する殺菌効果を検証する.3.抗酸菌等の各種細菌,真菌に対する殺菌効果の検証を行う.4.これまでの研究成果を取りまとめ,国内外の学会に発表し,さらに学術論文にまとめて発表する.

次年度使用額が生じた理由

高純度過ギ酸を作成する装置が平成28年度にも故障し,復旧に時間がかかったため,一部の実験費用の支払いが平成29年度となった.現在は,装置は正常に稼働しており,研究自体は順調に進んでいる.
(使用計画)予定通り,殺菌効果の検証実験や次世代シークエンサーMiSeqの使用による支出に使用する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Bactericidal effect of performic acid on salivary bacteria2018

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Morioka, Takayuki Nambu, Kazuya Takahashi
    • 雑誌名

      J Osaka Dent Univ

      巻: 52 ページ: 11~15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Primer Design for the Identification of Ten Oral Actinomyces Species Using Multiplex PCR2018

    • 著者名/発表者名
      T Kobayashi、S Uchibori、O Tsuzukibashi、C Uezato、H Goto、C Mashimo、T Nambu、K Umezawa、M Ohta
    • 雑誌名

      International Journal of Dentistry and Oral Health

      巻: 4 ページ: -

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.16966/2378-7090.249

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Proteases, actinidin, papain and trypsin reduce oral biofilm on the tongue in elderly subjects and in vitro2017

    • 著者名/発表者名
      Mugita Naho、Nambu Takayuki、Takahashi Kazuya、Wang Pao-Li、Komasa Yutaka
    • 雑誌名

      Archives of Oral Biology

      巻: 82 ページ: 233~240

    • DOI

      10.1016/j.archoralbio.2017.04.035

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isolation and identification methods of Rothia species in oral cavities2017

    • 著者名/発表者名
      Tsuzukibashi Osamu、Uchibori Satoshi、Kobayashi Taira、Umezawa Koji、Mashimo Chiho、Nambu Takayuki、Saito Masanori、Hashizume-Takizawa Tomomi、Ochiai Tomoko
    • 雑誌名

      Journal of Microbiological Methods

      巻: 134 ページ: 21~26

    • DOI

      10.1016/j.mimet.2017.01.005

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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