研究課題
生物学的指標に基づいた「歯科心身医学」体系の再構築と研究基盤の確立を目指して、脳機能画像研究の他に、特別な機材などを必要としない簡便な生物学的指標の探索も行なった。また歯科心身症、特に舌痛症患者の高齢化について報告した。当科の臨床データから65歳以上の本症患者は、10年前の約40%から近年は60%弱まで増加していることを明らかにし、薬物療法や心理療法にも特段の注意と工夫が必要になることを論じた。さらに歯科心身症における歯科医師と薬剤師の連携(歯薬連携)の有用性についても論じた。高齢者にも安全かつ有効な処方が可能となるように、簡便な反応予測因子も探索した。その結果、心電図上の変化、唾液分泌量の変化が抗うつ薬の治療反応性の予測因子になる可能性を示唆した。これらの指標は治療効果予測の目安になるのみならず、病態生理の解明にも一助となる可能性がある。非定型歯痛における薬剤反応性について、特に三環系抗うつ薬とドパミン部分アゴニスト、およびそれらの併用療法の有用性を明らかにし、治療アルゴリズムの構築への貢献と本症にドパミン神経系も関与している可能性を示唆した。また本症と三叉神経(特に第2、3枝)のNeurovascular compression(NVC)の関与についてMRI画像と臨床所見とを照らし合わせた。末梢と中枢の病態の絡み合いについてはさらに検討を加えている。症例報告ではあるが咬合の異常感を主徴とするphantom bite syndromeの治療前後におけるSPECT画像上の脳血流パターンの変化を報告し、今後の多数例のデータ解析への示唆を与えた。またセネストパチー606例の臨床データを朔行的にまとめ、うつの急性期における歯科処置が発症の引き金になるリスクを明らかにした。
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