研究課題/領域番号 |
16K11882
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
遠藤 慶子 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (10341950)
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研究分担者 |
古屋 純一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10419715)
饗場 直美 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 教授 (50199220)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ロービジョン高齢者 / QOV / ネットワーキング |
研究実績の概要 |
ロービジョン高齢者の口腔環境、口腔口腔保健行動の実態を調査したところ、非ロービジョン高齢者と比較して、口腔環境や口腔機能のでは有意な差はなく、歯科受診行動および口腔リテラシーでの差が認められた。このことから、情報が適切に伝達されることで口腔保健の推進は十分可能であり、そのために今後の歯科医療の現場においてロービジョン高齢者がより受診しやすい環境整備および適切な保健指導の実施の重要性が明らかとなった。 栄養面では男性のロービジョン高齢者は、非ロービジョン高齢者よりも野菜類の摂取量が少なく、それに伴いビタミンや食物繊維の摂取が少ないことが明らかになった。女性のロービジョン高齢者はエネルギーや全ての栄養素を非ロービジョン高齢者と同様に摂取できていた。また男性のロービジョン高齢者よりも、緑黄色野菜類や果実類を多く摂れており、ビタミン・ミネラル・食物繊維の摂取量多いことが明らかになった。 40歳以上になるとロービジョン高齢者は障害者福祉制度だけではなく、場合によっては介護保険制度も活用できる。今回の研究から歯科からの発信、栄養面からの発信を社会福祉のネットワーキングに繋いでいくことで、より良い地域包括ケアシステムの新しいモデルが構築される。障害者福祉サービスや介護保険サービスを使っているようだったら、介護支援専門員と連携し、サービス担当者会議の中にも進んで参加することが重要になっている。今まで以上に効果的な歯科受診・保健指導や栄養指導が可能になると、ロービジョン高齢者のQOV(Quality of Vision)が向上し健康寿命の延伸にも寄与できることが分かった。 また以上のことに歯科や栄養に従事している医療職が気が付き、連携をとることによって認知症高齢者や障害のある子供たちへのかかわりにも効果があると思われる。
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