研究課題/領域番号 |
16K11894
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
木尾 哲朗 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10205437)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | プロフェッショナリズム教育 / 情緒教育 / 教育資源の開発 |
研究実績の概要 |
プロフェッショナリズムは、欧米の歯学教育においてメジャーコンピテンスとして位置づけられており、2017年4月1日に文部科学省から発表された国内のモデルコアカリキュラム(医学・歯学)平成28年度版では、Aの歯科医師として求められる基本的な資質・能力の1番目(A-1 プロフェッショナリズム)に掲げられている。しかしながら、そこに書かれている具体は生命倫理、患者中心の視点、歯科医師としての責務と裁量権であり、プロフェッショナリズムの定義のみならず教育法、評価法に至る内容は議論されていない。本研究の目的はプロフェッショナリズム教育を支援するための教育法を確立するための教育資源の開発にある。 平成29年度は、平成28年度研究代表者はプロフェッショナリズム教育に関わる連携研究者と研究ティップスの検討、教育資源としての事例集と視覚素材(シネメディエーション)等の教育資源の開発準備に続いてそれらの展開を行なった。具体的には視覚素材の活用方法に関する教育ワークショップを平成29年7月29.30日に第36回日本歯科医学教育学会学術大会の開催地(長野県松本市)で実施した。さらに、日本歯科医学教育学会倫理・プロフェッショナリズム教育委員会と連携して、教育資源シナリオ集である「よき歯科医師になるための20の質問・倫理的検討事例 2012年度班版」の改訂版の作成にとりかかり、平成30年度に印刷する予定である。これまでの活動結果は平成30年度に開催される第37回日本歯科医学教育学会学術大会のシンポジウム3「歯科におけるプロフェッショナリズム教育~その方略と展望~」にて発表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「よき歯科医師になるための20の質問 倫理的検討事例集」の使用状況に関する調査論文に基づき、20の質問をブラッシュアップし、さらに事例を増やして2018年度版(第2版)の印刷をするところまで進行した。また、平成29年7月の日本歯科医学教育学会翌日から2日間の教育ワークショップを主催し、平成28年度に作成したDVD(視覚素材)の活用法の伝授を行なった。2018年度は本研究テーマの3年目である。上述のように第37回日本歯科医学教育学会学術大会のシンポジウム3「歯科におけるプロフェッショナリズム教育~その方略と展望~」を開催し、これまでの2年間に行なってきた活動結果をDVDや事例集を供覧しながら展開する予定であることから、おおむね当初の計画以上に進展していると判断できる。
|
今後の研究の推進方策 |
2018年度は、第37回日本歯科医学教育学会総会および学術大会(郡山市)において、これまでの活動の報告と教育資源・手法を共有するシンポジウム「歯科におけるプロフェッショナリズム教育~その方略と展望~」を開催する予定である。さらにシンポジウム当日にはDVD視覚素材と改訂した「よき歯科医療人になるための20の質問 倫理的検討事例集 2018年度版」を供覧し、より多くの教育研究者に情報提供を行なう予定である。さらに、これまでの活動を対象としてアンケート調査を行い、有意義な報告書を作成することで、さらに新たな展開を拓く予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学内業務があり、費用の発生する研究業務に遅れを生じたため次年度使用額が生じた。 次年度おいて研究の遅れを可能な限り取り戻す予定である。
|