研究課題
補助事業最終年度として、形成評価と総括評価の組合せた評価法の検討を行った。本研究の目的は卒前・卒後歯学教育の順次的・系統的なコンピテンシー基盤教育を目指した臨床能力評価の検討である。コンピテンシーは知識、技能、態度に基づく実践能力であり、それを確認するには診療現場での評価(WPBA)が必要である。知識、技能、態度を別々に評価しても必ずしも評価したことにならない。これらの知識、技能、態度が有効に協議していることを評価する必要がある。WPBAの代表的な評価法としてMSF( Multisource Feedback)が知られている。我々は歯科領域においてのMSFを検討した。過去の医科領域の研究では、指導医と他の評価者の評価点の相関においては、相関係数(r)については、指導医と他の評価者とは様々な報告がされている。本研究では、指導歯科医と歯科衛生士、指導歯科医と他の医療従事者の合計評価点の相関係数は医学領域の報告と同様な相関関係が認められたが、特に指導歯科医と歯科衛生士との相関が高めの結果が得られた。医科領域と比較して、歯科領域においてのMSFを含むWPBAに関する検討と研究は、極めて少ない。よってこのデータに基づき、現在早急に基準づくりと標準化が求められている臨床実習終了時の臨床能力評価の確立、さらに世界医学教育連盟が提言している医学教育分野別評価基準をふまえた高等教育の質保証という国際的な潮流を踏まえた歯科領域における基準づくりに貢献できればと考えている。また最終年度にあたる本年度においては以前のデータを併せた6年分の臨床研修歯科医師の臨床能力到達度評価の結果を分析中である。さらに4年間で得られた収集データを再整理・分析し、論文にしていない内容について論文作成中である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件)
Int J Oral-Med Sci
巻: 19(2) ページ: -
巻: 19(1) ページ: -
日大口腔科学
巻: 45(2) ページ: 79-87