本研究では,局所性浮腫の定量評価指標に関する研究,その指標を用いて評価する足浴が局所性浮腫予防・軽減としての足浴の効果に及ぼす影響の研究を行うこととした.足浴の効果を浮腫の評価指標を用い,体温,血流動態及び調節機構と合わせて評価し,浮腫の予防・軽減に効果的な一手段となり得るかについて検討する. これまで浮腫の評価方法として水置換法を用いて体積を測定する方法や巻尺を用い周囲径を測定する方法について検討されてきている.それらの検討結果から,測定における簡便さの問題や測定誤差の影響などが指摘されてきている.測定方法を比較する先行研究は少なく,水置換法,巻尺,エコー法及びデジタル画像を用いて下腿を計測し,各測定方法について検討した.それぞれの方法において,むくみは評価可能であると考えられた.しかしながら本研究においても簡便さ,測定技術及び測定方法に問題点はあると考えられ,目的や対象に応じた使用が必要であると考えられた. 下肢のむくみ改善を目的として,弾性ストッキング,タッピング,マッサージ,足浴+マッサージなどの報告がある.しかしながら一過性の足浴の効果を検討したものはほとんど見られない.そこで基礎的データを得るために足浴が下腿のむくみに及ぼす影響について検討した.足浴条件と足浴をしないコントロール条件とを比較すると,皮膚温,組織酸素飽和度およびむくみは異なる変化を示す可能性が考えられた.またむくみに関しては,個人差が大きく影響している可能性も考えられた.一過性の足浴のみでなく定期的な足浴に関する検討を行うことでより安全で効果的な方法になりえるのではないかと考えた.
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