研究課題/領域番号 |
16K11927
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
真砂 涼子 群馬パース大学, 保健科学部, 非常勤講師 (30336531)
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研究分担者 |
上星 浩子 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (20389745)
佐藤 晶子 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (90458472)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 末梢循環 / 毛細血管血流 / 冷え症 |
研究実績の概要 |
研究初年度は、非侵襲性の毛細血管観察装置を用いた毛細血管画像の観察・解析方法の検討及び冷え性の関連要因を明確にするための文献検討を行った。 毛細血管観察画像の観察方法について、実験環境は室温24~26℃、湿度45~55%の範囲とした。観察は毛細血管他毛細血管観察装置(Bscan-Z、㈱徳)を用い、被験者と測定者の観察時の姿勢、測定部位、観察時間、同時測定するサーモグラフィ(FLIR E6、FLIR社)の観察位置の設定について検討を行った。その結果、当初測定部位の候補としていた右手第4指の爪上皮部の観察では、観察手指を置く毛細血管観察装置下の指置き溝までの高さのために手掌部のバランスが悪く観察手指に力が入って血流に影響が生じたり、血流画像の録画中に観察手指が動くという問題が生じた。そこで、左手指4本を比較して観察した先行研究を参考に、第3指の爪に変更したところ、安定して観察できたため、観察手指は第3指を第1選択とした。測定時の注意点として、ピント調節の際、毛細血管観察装置本体の観察アタッチメント先端部が観察部分に接触してしまうと血流に影響が生じる可能性が挙げられた。 また、今後の観察時の影響要因を明確にするため、特に看護分野における冷え症に関する文献検討を行い、研究対象者、冷え症の要因、改善方法・効果、実験・介入研究での評価手法について内容分析を行った。その結果、研究対象者は妊産婦などの女性が多かった。冷え症の要因にはホルモン状態などの身体的要因、気候などの外的要因、食事等の生活習慣などが挙げられており、実験環境と被験者の背景を記録する必要性が挙げられた。冷え症の改善方法では、加温、または生活習慣改善による効果が挙げられることが多かった。冷え性改善の効果指標としては、表面皮膚温、血流計が用いられており、血管観察装置の測定時に複数の指標を導入する必要性が挙がった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
観察時の姿勢や観察手法、同時測定するサーモグラフィの測定方法などの検討を行い、今後の被験者に対する実験に影響する事象を明確にするための文献検討は行った。しかし、観察や画像測定方法の習熟や実験環境の確保、実験プロトコールの検討に時間を要し、冷え性者に対する実験を行うには至らなかった。引き続き、実験プロトコールの検討を行っていく。また、冷え性者などに対する実験を行うため、自施設の倫理委員会への申請書類を作成していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2年目には、遅れている冷え性者の毛細血管の形態学的特徴を明らかにするための実験を行っていく予定である。そのため、実験プロトコールと観察手法を確立し、倫理審査委員会への申請を行っていく。実験プロトコールと観察手法の確立を促進するため、学部4年生による毛細血管観察装置及びサーモグラフィによる測定を計画し、測定精度の向上を目指す。また、観察時の助手が不足しているため、実験補助者の雇用を計画し、研究体制を整備していく。 2年目に計画していた毛細血管観察画像による血流速度の解析法の確立及び従来の測定指標との比較検討を進めるため、購入した毛細血管他毛細血管観察装置と連動した画像解析セットと同時測定用の深部温モニター、指尖血流計を購入し、実験環境も合わせて整備していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況の遅れから、実験環境の整備や測定用消耗品の追加購入、被験者謝礼品の購入に至らなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
持ち越した予算にて、購入が遅れていた測定用消耗品や記録メディアの購入費用に充てる。
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