研究実績の概要 |
【本研究の目的】看護職育成は、①専門学校から学士課程へ移行、②教育パラダイムから学習パラダイムへの転換の両面から「学習者中心の授業」実践への取り組みが増加にある。しかしながら教師がもつ教育観が変化しなければどんな手法を使おうとも学習者中心の授業は難しく、その効果は得難い。そこで、本研究では、研究者らが開発したティーチングスタイル測定尺度 [TSAS] を用いて、米国と日本の教師のティーチングスタイルを比較検討し、「学習者中心」の授業に向けたFDへの基礎資料の提供を目的とした。 【平成31・令和元年(2019)年度研究実績】 1.米国調査終了:米国研究者の協力を経て、米国内のUniversity level のNursing とNon-nursing faculty にWeb調査を実施。回収117、有効回答105(率90%)。内訳:Nursing=71、Non-nursing=34、Teaching Yearは、NursingとNon-nursing ともに17年以上と10-13年が多かった。TSAS(30項目)の総得点をみると(Range 0-150)、Nursingは95.39(SD18.6)、Non-nursingは100.09(18.3)であり、Shapiro-Wilkで正規分布を確認(.731と.140)した。T-test では、NursingとNon-nursingに有意差は見られなかった(t=-1.22, df=103, p=.23)。さらに、TSASの各下位尺度(5つ)をみてみると、「4. Learner-Centered Activities」においてのみ有意差がみられた(t=3.251, df=103, p=.002)、Nursing 16(3.8), Non-nursing 19(4.6)。米国内看護学教員と看護学以外の教員では、ティーチングスタイルに大差がないものの、学習者中心の活動への重視に違いがあると考えられた。 2.発表:Fumiko Yoshida, Toyoaki Yamauchi, & Misa Kawanishi (2020). Comparing Teaching Styles Using the Teaching Style Assessment Scale in Nursing Faculty and Non-nursing Faculty, 18th Hawaii International Conference on Education, p130.
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