研究課題/領域番号 |
16K11935
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
道重 文子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (00274267)
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研究分担者 |
恩幣 宏美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (20434673)
仲前 美由紀 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (40434675)
川北 敬美 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (50440897)
畑中 あかね 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (60236669)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | オーラルマネジメント / 口腔ケア / 看護継続教育 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
口腔ケアは衛生管理だけでなく、口腔の持つあらゆる機能を整えることとしてとらえ、看護師は口腔アセスメントや生活指導、患者教育等を含むオーラルマネジメント力が必要と考える。そこで、平成28年度は、口腔ケアにおける看護教教育の研究動向および特に看護継続教育の内容を明らかにすること必要と考え文献検討を行った。看護継続教育に関する研究11件を対象として分析した。学習会の内容では、解剖生理をはじめとする病態生理や口腔乾燥を招く薬剤の知識、誤嚥性肺炎の病態ならびにその予防方法、口腔内観察の重要性、口腔ケア用品の選択方法や口腔ケアの具体的援助方法などが教授されていた。シミュレーション教育を取り入れた体験型学習、歯科衛生士から指導を受けて実施するブラッシングがあった。チームで行う口腔ケアの効果を上げるためには、看護師や介護職の知識や技術の向上に向けた継続教育プログラムの開発の必要性が示唆された。 平成29年度は、前年度の文献検討をもとに日本病院会ホームページで公開されている会に所属する全国の病院2472施設を対象とした郵送法による質問紙調査を行った。 915施設からの回答を得た(回収率37.0%)。看護師を対象とした口腔ケアに関する講習会は、51.9%で企画され、口腔ケアチーム有では83.3%、無では43.2%であった。口腔ケアに関して強化すべき項目は、実施方法の習得86.1%、アセスメント85.8%、予防的ケア84.8%、リハビリテーション52.9%、治療の理解41.3%であった。口腔ケアチームの有無により口腔ケアに関する講習会の企画や講師として歯科関係者との連携に差がみられた。強化項目は口腔ケアの実施方法の習得やアセスメントが中心であり、口腔ケアを充実していくためには,治療やリハビリテーションについての関心を高めていくことの必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度に実施予定であった口腔ケアに関する実態調査は、平成29年度に調査を終了し、調査結果を分析中である。学会発表および論文投稿に向け準備している。平成29年8月には、予定していたアメリカのメイヨークリニックおよび高齢者施設を訪問し、口腔ケアに関する現状を知ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
調査結果から得られた記述内容から、口腔ケアの関する教育プログラムの試案を作成し、有識者からの意見聴取を行い修正する。アンケート調査時、プログラム提供を希望された施設において試用を依頼し、評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アメリカミネソタ州のメイヨークリニックおよび高齢者施設見学に研究代表者と研究分担者2名で行ったが、当初、予定していた航空運賃が高騰していたこと、メイヨークリニックでの研修費が必要であったこと、質問紙調査では、郵送料金の変更があったため、予算の使用予定の変更が必要であった。 アンケート結果をもとに教育プログラムを作成するためには、適切な口腔ケア教育用デンタルシミュレーターおよび口腔ケア指導用顎模型等の選定が必要であり、購入するために経費を残している。
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