研究課題/領域番号 |
16K11938
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
會津 桂子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (90436014)
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研究分担者 |
佐藤 真由美 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80336429)
三上 佳澄 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40709143)
岡 直樹 広島大学, 教育学研究科, 教授 (20136394)
工藤 ひろみ 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (50552684)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アセスメント / 教育 / 関連図 / 知識 / 認知心理学 / 学習理論 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、関連図を用いて学生の専門知識を構造化させ、アセスメント能力の向上を図る新規のアセスメント教育プログラムを構築することである。 近年、看護職者にはより高度な思考力が求められており、看護基礎教育においても学生の思考能力の向上を目指し教育方法の工夫がなされている。しかし、看護学生は疾患や治療等について知識は有しているものの、知識の活用方法が修得できていないため、臨地実習においてもアセスメントが不充分になっているとの報告もある。そこで本研究では、看護学生の有する専門知識に着目し、認知心理学領域の学習理論を取り入れ、看護過程の展開において関連図を用いて思考させることで、アセスメントにおける知識の効果的な活用や知識の構造化を図る。 平成28年度は、関連図を用いた能動的学習によるアセスメント教育プログラムを考案し、アセスメント能力・知識構造の評価基準を策定し、倫理委員会による承認を得て教育介入を実施した。教育介入の参加学生は 4 年制大学看護学専攻学生で、看護過程に関する講義の受講生80名であり、研究参加への同意を示した学生のみを分析対象とした。介入の内容は、紙上患者事例を提示し、個々にアセスメントおよび関連図を作成するよう教示した。アセスメントの際はグループワークを取り入れ理解度の向上を図った。講義期間の中間で関連図作成に関する演習を実施した。参加学生へは適宜アセスメント内容および関連図の提出を求め、アセスメント能力および知識構造の指標とした。 平成29年度は、対象学生のアセスメント内容の特徴や教育介入前後の相違について、主に量的観点から分析を行った。今後は、学生のアセスメント能力をさらに精査するとともに、知識構造とアセスメント能力の関連について明らかにし、学生のアセスメント能力向上や知識の構造化における、関連図を用いた新規の教育方法の有効性を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規に考案した教育介入の効果の指標となる、学生のアセスメント内容に関して分析を行ったが、より多角的な視点からの分析の必要性が見いだされ、分析作業が完了していないため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は参加者のアセスメント能力および知識構造に関して、主に質的な観点からさらに詳細な分析を行う。その上で、関連図に関する教育介入前後のアセスメント能力を比較し、本研究で実施した教育介入の効果を検証する。また、アセスメント課題の記載内容と関連図課題の内容との関連を検証し、アセスメント能力と知識構造の関連について検証する。その上で論文執筆を行い成果を国内外の学術誌等で公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ解析作業に遅滞が生じたため、解析および考察に必要な備品・書籍等の購入が次年度へ繰り越されたため次年度使用額が生じた 。 (使用計画) 次年度は、当初から次年度分として請求していた助成金と合わせて、解析ソフト及び書籍の購入、データ解析作業を委託する際の謝金、論文投稿料として使用する計画である。
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