研究課題/領域番号 |
16K11939
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
青池 智小都 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特命助教 (00749658)
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研究分担者 |
長谷川 智子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60303369)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インタビュー / フィールドノート / 笑顔 / 笑い / 相互作用 / 心理 |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究計画は手術室入室から麻酔導入時までの時間の中で、手術を受ける患者と手術室看護師の相互作用において、看護師が笑うことについての認識を質的記述法にて明らかにすることであった。 研究対象を東海・近畿・北陸の大学病院に勤務している手術室看護師20名程度とした。8施設に研究協力を依頼し、4施設の協力を得ることができた。現在、男性5名女性8名の13名に「手術を受ける患者と共に手術室内で笑ったことがあるか」「笑ったことがあるのなら、どういう場面で笑い、その時何を感じたか」「手術室内で患者と笑うことについてどう考えるか」について自由に語ってもらった。そして、面接で得られた内容は、逐語録に記載しデータとした。次にフィールドノートを用いて整理しグラウンテッド・セオリー・アプローチを用いて分析を行い、概念を明らかにする作業に入っている。そのため、必要な参考図書を購入し熟読した。 【参考図書】 R・A・マーティン(2011):ユーモア心理学ハンドブック、雨宮俊彦(2016):笑いとユーモアの心理学、アレン・クライン(2009):笑いの治癒力、ロバート・ホールデン(2003):笑いに勝る良薬なし、志水彰他(2007)人はなぜ笑うのか、上野行良2014):ユーモアの心理学
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象を東海・近畿・北陸の大学病院に勤務している手術室看護師20名程度とした。方法として看護部長に研究主旨について電話で伝え、その後協力依頼文を郵送した。しかし、手術件数が多いなど多忙であることから協力を得ることは困難だった。8施設中4施設の協力を得ることができたが、フィールド確保に時間を要した。予定としては20名であったが、インタビューの内容とフィールド確保の現状から、13名でも研究成果が得られると考えデータ収集は終える。しかし、分析結果によっては追加でデータ収集することも考えている。
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今後の研究の推進方策 |
6月を目安に分析を終了し概念を明らかにする。その後、生成された概念の妥当性を確認しながら概念の精錬をはかり、収束化に向けた分析を継続していく。 10月頃より、生成された概念を基にオリジナルの質問用紙を作成する。手術室入室から麻酔導入時までの時間の中で、手術を受ける患者と手術室看護師の相互作用において、患者と看護師が手術室で笑うことをどのように感じているか、質問紙調査法にて明らかにすることを目的に、研究を開始する。研究対象を東海・近畿・北陸の大学病院に勤務している手術室看護師と受け持った患者としているが、平成28年度の研究方法の状況から、検討する必要がある。 28年度は、富山、石川、福井、岐阜と県内や県外の施設が対象であったため、旅費を請求した。逐語録作成は研究者自身で行ったため、逐語録に計上していた予算を使用しなかった。 29年度は、アンケート調査を行うため、通信費や印刷費用にあてる。統計処理に必要なパソコンおよびソフトなどは平成28年度に購入したため予算を使用する予定はない。また、28年度と同様に29年度も、日本手術看護学会及び日本看護研究学会などに参加し、手術を受ける患者と手術室看護師の相互作用や患者心理に関する最新の知見をえることで、研究結果に還元させたい。そのため、論文や書籍代、学会参加費用および旅費にあてる計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度に参加予定していた日本手術医学会(沖縄県)、日本看護研究学会(茨城県)など仕事の関係上、参加できなかったため旅費を使用しなかった。また、データーから逐語録に記載する作業を、研究者自身が行ったため人件費は使用しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
29年度は日本手術看護学会、日本手術医学会、日本看護研究学会、日本看護診断学会など学会参加費および旅費にあてる。また、今年度は、約800~1000人の手術を受ける患者と手術室看護師を対象としてアンケート調査を予定しているため、通信費及び印刷費用、施設訪問の旅費にあてる。そこで得られたデーター入力に人件費(2人×10日)として計画している。
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